岐路に立っている韓国の自由民主主義
大韓民国のキリスト教会の運命がこれから6ヶ月にかかっている。

金成昱

(2018.1.8)


1.国会の憲法改正特別委員会の諮問委員会が作成した左派性向の改憲案草案は、大韓民国の体制を変える革命的性格だ。憲法改正特別委員会は国会の公式委員会だ。この委員会が専門家53人を動員して11ヶ月間作った案が今回の草案だ。今までの最も公式的改憲案だ。

 

2.改憲案の草案の核心は、大韓民国の国家基本原理である‘自由民主的基本秩序’、‘自由民主的基本秩序に立脚した統一’を削除したのだ。現行憲法に‘自由民主’は二回出る。前文で‘自由民主的基本秩序を一層確固とし...’と宣言している。また4条に‘自由民主的基本秩序に立脚した平和的統一政策を樹立し、これを推進する’となっている。今回の草案はこれを削除した。


 ‘自由民主主義’は、社会民主主義や人民民主主義などと区別される意味の政治体制だ。韓国憲法で自由民主主義を抜くことは、今までわれわれが知っている大韓民国でなく他の国を追求するという意味だ。


 これは改憲案が‘自由民主的基本秩序に立脚した統一政策’を‘民主的基本秩序に立脚した統一’に変えたことで明白に現れている。つまり、統一韓国の体制を自由民主主義から、北韓式‘人民民主主義’を収容するか混合もできるということだ。諮問委の改憲案を文脈通り解釈すると、社会民主主義式の政治・経済システムへと国家を変えても良い、人民民主主義の統一になってもかまわないという話になり得る。


 憲法裁判所は‘わが憲法の前文と本文に盛り込まれている最高理念は、国民主権主義と自由民主主義に立脚した立憲民主憲法が本質的基本原理’と言い‘(前文と本文は)すべての法令の解釈の基準となり、すべての国家機関と国民が守らなければならない最高の価値規範’と規定してきた。結局、諮問委はすべての法令の解釈と価値規範の基準を変えるというわけだ。


3.諮問委はまた、経済と関連したあらゆる憲法条項を社会民主主義、ないし社会主義的に変えた。大韓民国は、自由と創意をもって経済奇跡を成し遂げた。それを‘すべてが国家責任’という名分で国民の税金を分捕りする国に変えようとすることだ。


4.今回の改憲は、大統領弾劾事態を経て、いわゆる帝王的大統領制に終止符を打つということから始まったものだ。なのに、権力分散を名分に、憲法の根本まで変える試みが進行中だ。


5.今回の改憲が現実化するかは平昌冬季オリンピックの成功可否にかかっていると言える。平昌に金正恩の妹・金与正が来るなど、南北の和解イベントが実現すれば、現政権の支持率が上がり改憲も断行されるはずだ。自由民主主義と自由市場経済の終息、社会主義への新しい憲法が出れば、南北韓の体制の同質性の上で聯邦制へと進むだろう。最も大きな打撃は教会が被る。自由民主主義、自由市場経済体制の終息は‘自由’の核心である信仰の自由の上に立っている教会の危機だ。教会は、あらゆる社会主義体制下の教会がそうであるように、社会的な公共性、責任と連帯として包装された数多くの抑圧と制約を受けるだろう。韓国の教会の運命がこれから6ヶ月にかかっている。


http://libertyherald.co.kr 2018.01.05 17:55

更新日:2022年6月24日