自由民主体制を護るための「国民抵抗」は国民の権利であり義務だ!

 

統一日報 2017年3月15日付社説

(2017.3.17)


 朴槿恵大統領弾劾事態の本質は、扇動メディアが企画した「崔順実事態」を利用した政変、つまり野党と検察などが共同で憲法上任期が保障された大統領から権力を奪取した「国会クーデター」だ。そして、これを追認したのが憲法裁判所の罷免政治裁判だった。


 現行憲法下の第6共和国は、名目上は大統領制だが実際には国会独裁体制だ。国会が国政停滞の元凶だ。国会がこうなったのは去る30年間、国会に入ってきた主思派勢力のためだ。


 ところが、国民が国会独裁の弊害を知るや、国会は自分たちに向けられる国民的批判と抵抗をかわし既得権を維持するため、韓国社会の隅々に根を下ろした従北左派と力を合わせて大統領にすべての責任を擦り付けた。

 

 憲裁の判決文を読むと憤りを抑えられない。憲法裁判所は、いわゆるロウソク民心という暴民政治の要求に応じて大韓民国の自由民主体制と法治に致命傷を加えた。憲裁の判決は、憲法84条に明記された大統領の在任中の刑事不訴追条項を蹂躙したものだ。憲裁は「国政の空白を最小限に」するという名分で、法律で与えられている180日間の弾劾審判期日の半分だけを使用して大統領を罷免したが、その結果、もたらされたのは極度の国政混乱と憲政秩序と法治の崩壊だ。


 特検と憲裁は国会側に不利な証言と証拠は採択しなかった。大統領への国民的怒りを激発させた、JTBCやTV朝鮮などの捏造、誇張報道をはじめ、崔順実事件の企てた高永泰などは、制裁も受けず、取り調べも受けなかった。大企業の総帥は拘束か出国を禁止させながら高永泰の国外逃避を放置したという。


 憲裁は大統領の防御権を無視し、崔順実などに対する検事の誤った公訴状に基づいて大統領を罷免した。崔順実などの刑事裁判の結果が憲法裁判所の性急な判断を覆す結果が出たらどうするつもりか。


 何よりも赦せないのは、憲法裁判所が三権分立による牽制と均衡という憲政の基本原則を破ったことだ。憲裁は国会の弾劾訴追過程での違法性を国会の自律裁量権として認めた。これは、立法権を独占している国会に対する行政府と司法の牽制、監視の役割を放棄し、否定した職務遺棄、憲法破壊行為だ。大統領弾劾という重大な事案までその手続を国会の自律と裁量に任せたら、国会独裁は牽制する方法がない。


 憲裁は大統領が職権を乱用し、企業経営の自由を侵害したと断罪した。「経済民主化」という奇怪な用語を使って企業活動を徹底制約する反市場経済勢力をはじめ、問題は「社会主義が答え」と叫ぶ民労総が中核となっているロウソク勢力を代弁した憲裁が、企業経営の自由を云々するのは狡猾な偽善の極みだ。


 韓国社会は今、建国以来最も深刻な理念対立、分裂の中にある。弾劾を推進した勢力は、北韓人権法に反対し、開城工団を再開して核ミサイルを実戦配備する金正恩政権への支援を主張し、THAAD配備に反対し、国家保安法の廃止を主張する勢力だ。


 第6共和国の韓国で「ロウソク」は、民労総に代表される従北左派の政治的主導権掌握の手段として固着した。今回のロウソク事態も民労党(統進党)を生んだ民労総が中心となった。組織力と資金を持った民労総の傘下に全教組と言論労組がある。民労総は、憲法裁判所によって解散された統進党や内乱陰謀で服役中の李石基などの復権を主張した。民労総は憲裁を威圧して朴槿恵大統領を弾劾罷免することで統進党解散に復讐した。全教組も朴大統領によって法外労組がされたことに復讐しただけでなく、高校国定教科書も実力で封鎖した。大韓民国は左翼国家になった。


 民労総が検閲するマスコミや民衆革命を主張する勢力が、全国民に憲裁の判決への承服を強要している。転向していない主思派勢力などが憲裁の決定に対する承服宣言を強要するのは、共産党式自我批判を強いるも同然の暴挙であり、彼らの偽りが暴露されることを必死に防ごうとする、全体主義集団の悪魔性の発露だ。


 韓国社会は今、教育、文化、労組、メディア、国会をはじめ、検察と司法など国の公権力の大半までを左翼勢力が掌握している。大韓民国の自由民主主義は憲法に名目上残っているだけで、形式的な法治が残っている。


 左翼既得権独裁の国会が決議さえすれば、あらゆることが正当化され、正義なき裁判に国民が拘束されてはならない。われわれは、歴史的に形式的は法治を借りた全体主義ファッショや共産独裁が登場した歴史を覚えている。権力を専横する国会に司法と公権力が従属すれば、自由民主勢力は太極旗の下で、憲法が保障した国民抵抗権行使に出るしかない。


 憲裁が大統領を違憲的に弾劾罷免したから、もはや国民が憲裁を弾劾するしかない。国会が行政府や司法府の牽制を受けないなら、国民が直接国会を解散して再構成する。


 自由民主体制を護るための国民決起、国民抵抗は当然の権利でかつ使命でもある。韓半島で史上初の民主共和国、大韓民国の建国革命はまだ終わっていない。自由統一(北韓解放)に向けた建国革命の完遂を否定する勢力との闘争、そのための国民抵抗は正義だ。

更新日:2022年6月24日