‘文在寅の夢’は大統領(になること)でないかも知れない!


 彼の役割は霧を向こうの人物に扉を開けてあげることである可能性が高い。ならば、霧の向こうから近寄っている者を見分けねばならない。


金泌材
(2016.12.21)

 

 “北韓の金正恩委員長と北核廃棄と韓半島の非核化を議論のテーブルに乗せられるなら、そして(盧武鉉と金正日の)‘10・4頂上宣言’をはじめ、歴代政府の南北合意らを南北が一緒に尊重し実践することを議論できるなら、頂上会談をやる考えがある”(文在寅の2016年12月15日、外信記者クラブでの懇談会発言)


 この頃の朴槿恵大統領の様子を見ると戦う意志を放棄したようだ。生涯、自分の心を相手に戦った(心労)だけで、現実の左傾勢力を相手にまともに戦って見たことがないからだ。朴大統領は、左傾勢力が‘保守勢力’に一撃を加えるためずっと攻撃の隙を狙ってきたことを察知していち早く崔太敏一家との縁を切るべきだった。


 闘争意志(生への意志)を諦めた人は誰でも助けられない。ならば、濃い霧の向こう(未来)に何がわれわれを待っているかを見分けねばならない。韓国の左傾勢力は、イタリア出身の革命家・グラムシの‘陣地論’に基づいて長い間、社会の全領域に渡って浸透してきた。グラムシは陣地論で、革命をするためには‘大衆政党が地下党より有利だ’と言った。


 最近、多数のメディアが、文在寅が次の大統領になる可能性が高いという記事を吐き出しているが、筆者の考えは少し違う。文在寅は今まで国家保安法撤廃、低い段階の連邦制、韓総連解体反対、THAAD配備反対など、反大韓民国的言動を恣行してきた。このような逸脱行為は、彼が精神病者であるためではない。彼は、彼らなりの暗黙的な戦略・戦術に応じて動いているようだ。


 文在寅の一挙手一投足はメディアと公安当局によってマークされている状態だ。彼は一種の‘正体が公開された革命家’として‘批判の自由、行動の統一’と言った彼らのスローガンに忠実して南韓内の左傾勢力を一つに結集させる闘争に突入したとみられる。


 文在寅は‘公開闘争’を通じて、韓国社会の自由民主主義イデオロギーを希釈させ、隠れている革命因子たちのため時間を稼いでいる役割をしている。つまり、韓国の左傾勢力は文在寅の‘先導闘争’で‘革命力量’を蓄積しているのだ。彼の役割は霧を向こうの人物に扉を開けてあげることである可能性が高い。もちろん、文在寅の運が良ければ(?)本人も大統領になり得る。

 

‘統一革命党事件’の主犯の一人・申栄福(写真)の書体を使用した文在寅の大統領選挙スローガン


 最近、国民行動本部は非常に意味深長な声明を発表した。内容を紹介する。


 “‘怒った民衆’は今後、朴槿惠政府の代案として左傾政権を選択する可能性がある。確かなことは、この勢力の今までの発言と理念的性向から見て、▲韓米連合司令部の解体、▲駐韓米軍撤収、▲国家保安法廃止、▲戦時作戦統制権の転換、▲国定教科書不可、▲THAAD配備不可、▲韓日軍事情報保護協定破棄などの手順を踏む可能性が高い。


 その後は、南北最高位級会談が開かれて‘6・15宣言’を再確認し‘南北韓の連邦制統一’への手順を踏むような状況も予想される。この過程で主導権を握った北韓は米国を相手に‘平和協定’を議論する。こうなれば、大韓民国は‘自動消滅’する。したがって、事あるごとに敵の肩を持つ者らに大韓民国を任せるわけにはいかない。われわれに許されている時間は多くない。決断を下さなければすべての代案は空虚な言葉に終わる。”


 韓国の現危機状況は既存の危機とまったく違う。自由民主主義勢力が分裂され力を使い果たした状態だ。あっという間に従北勢力が望む世の中になる可能性が非常に高くなった。現状況での‘根拠のない楽観’はブーメランになって後に、いわゆる保守勢力と保守の仮面をかぶったウェルビーイング・日和見主義勢力(セヌリ党)の首を切るだろう。戦争では戦う意志のない者は要らない。


 気を付けてこそ生き残れるという結論が導出される。座ったまま死ぬわけにはいかない。


www.chogabje.com 2016-12-16 11:46

更新日:2022年6月24日