傷ついた‛保守有権者たち’に希望を

柳根一

(2016.12.8)

 

 朴大統領に投票した善意の有権者たちは崔順実事態のため集団うつ病...彼らに誰が希望を与えるか
 新しい世代の自由・保守選手たちが歴史・文化・哲学が先導する自由・保守本然の時代を開こう
 
  ‛崔順実事態’のため最も深刻な精神的打撃を受けた当事者は朴槿恵大統領がではなく、彼に投票した善意の有権者たちだ。骨髄までの‛親朴’(*朴槿惠への盲従派)らは当然朴槿恵候補に投票しただろうが、多くの有権者たちは朴槿恵候補が好きだったというより、文在寅候補が政権を取らないよう次善の策として朴槿惠に投票した人々だった。彼ら秋美愛話法の‛賊徒’ではなく、国のことを憂慮した彼らなりの愛国有権者たちだった(文在寅候補に投票した有権者も彼らなりの愛国有権者たちだっただろうが)。
 
 彼らの思いは純粋だ。大韓民国という国づくり、その過程での産業化・民主化・グローバル化・情報化の足跡に対する愛情と誇り、その中に溶けている‛私個人’の血と汗と涙の曲折らに対する満ち足りる感慨、そしてそれらがまったく無価値だとこき下ろす敵意への拒否と言える。これらの愛国有権者たちは彼らのそういう思いを他の候補より朴槿惠候補が多く代表してくれるだろうと彼に投票した。
 
 ところが、‛崔順実事態’は彼らのそういう真剣な誠意が一瞬に徒労に終わったことを教えた‛青天の霹靂’だった。愕然、メンタル崩壊、集団うつ病がそれら善意の被害者たちの胸を圧し拉いでいる。彼らは朴槿惠大統領への支持を既に撤回した。しかし、その票がもう一方の、特に文在寅民主党元代表の方へ移動したわけではない。その票は宙に浮いている状態だ。
 
 それで今時局の論点の一つは、これら行き場を失った自由・保守有権者たちに新しく集まる場を作ってあげることに集中せねばならない。朴槿恵大統領とセヌリ党の政治的・文化的・道徳的ヘゲモニーは崩れてしまった。それなら、新しい自由主義・保守・世界市場・自由統一陣営の求心点をどう再創出するのかが今日の悩みでなければならならない。結論は自明だ。セヌリ党がまず徹底的に死なねばならない。
 
 何が死ぬべきか。一個人に従い並ぶ政治が死ななければならない。その代わりに、個人ではなく路線に忠実な政治が出現せねばならない。‛親朴’だの‛非朴’だのではなく、‛正統自由・保守か、それとも中道改革か’に変えて議論しなければならない。もちろん、この時もリーダーはあり得る。しかし、そのリーダーは主君や女王の概念になってはならない。このような当為から、‛親朴’と‛非朴’はむしろ別れて自由主義・保守路線の政党、そして中道改革路線政党に分化するほうが道理だ。
 
 今まで‛親朴’はあまりにも親衛隊・突撃隊・青年団のようだと言われてきた。“お前らが騒いでも俺は行く”という‛李貞鉉スタイル’はボイラーの圧力をもっと高めている。そのため、そのような‛開き直り’チームは早く退陣させ、その代わりに無難なキャラクターたちを前に出し、外部から‛学識と徳望’を迎え入れて‛朴槿惠党’を自由・保守の‛有権者党’へと換骨奪胎する方向に行かねばならない。一方、‛非朴’は与党プレミアムはそのまま享受しながら、経済・安保・対北政策においては‛国民の党’や‛民主党’のようなことを主張すると言われてきた。‛右往左往の日和見主義’と指摘されてきた。では、彼らは親朴だけでなく、保守一般とも縁を切り、安哲秀-孫鶴圭の家へ戸籍を移すのが望ましい。そのような気配が既に見られる。
 
 こう見れば、朴槿恵大統領に対する弾劾動きを契機に、親朴と非朴が決別の方へ一歩踏み出したのは、むしろ当然の流れだと言える。この場合も経なければなら試験はもちろんある。‛親朴’が自由・保守有権者たちから認証を受けられるほど肯定的転換をするかの問題だ。そして、金武星など‛非朴’が第3地帯に移れば、彼らも安哲秀や朴智元のようにTHAAD配備反対、開城工団再開へと豹変するかの問題だ。この試験に適切に答えられないと、セヌリ党は両方とも完全に消滅し得る。
 
 朴槿恵大統領とセヌリ党は今、水平線の下に沈んでいる。しかし、彼らに投票した善意の自由・保守有権者たちは依然として残っており、生き返らねばならず、生きて行かねばならない。このような彼らに誰もまた希望を与えられるだろうか。弾劾案が可決され黄教安代行が登場すれば、彼を含む新しい世代の自由・保守の選手たちが浮上する。彼らは李明博-朴槿恵時代を超えて、歴史・文化・哲学・規範が先導する自由・保守本然の時代を開かねばならない。大韓民国は生まれてはならなかった国ではなく、生まれて本当に良かった国という‛現代史の認識’と共に。韓半島と韓国の政治は結局、その戦いであるためだ。“花たちに希望を...”その花たちは今心寂しい。

柳根一の耽美主義クラブ

http://cafe.daum.net/aestheticismclub 2016.11.29 21:44

更新日:2022年6月24日