金雪松労働党組織指導部長が39号室も担当、金与正が金正恩護衛を総括

 

メディアペン=金ソジョン記者

(2016.11.4)

 

 金正恩は去る6月の最高人民会議で国務委員長に推戴された後も異母姉の金雪松と妹の金与正を傍に置いて庇護を受けていると伝えられた。


 金正恩は今年の5月、35年ぶりに7回党大会を開いて労働党委員長になった。そして1ヶ月後に最高人民会議を召集して政策機関を国防委員会から国務委員会に変えた。国務委員会に3人の副委員長を選び8人の国務委員まで任命して正常国家化への試みだという評価も出た。


 だが、すべては依然として党組織指導部が監視しながら金正恩政権を維持するのに寄与しているのだ。特に、金正恩の異母姉の金雪松が依然と党組織指導部長として幹部の一挙手一投足を評価しているため北韓政権で金正恩の次ぐ権力を持っている。


 平壤の事情に詳しい対北筋は“金正恩の異母姉の金雪松労働党組織指導部長に留まっている”、“金雪松は組織指導部長として財政経理部まで管掌しており、金正恩の秘密資金管理部署である'39号室‘を担当していると見られる”と述べた。


 金雪松が最高幹部たちを監視する組織指導部を率い、金正恩の秘密資金管理までしていることは金正恩が直接幹部たちを監視し、同時に国家財政の牛耳を執っているということだ。

 もちろん、今まで北韓体制で変わったのはまったくない。だが、あえて平壌市に戒厳令まで宣布して全国の市道党代表2000人余りを集めて2泊3日の党大会を開き、最高人民委員会まで開催して新しく国務委員会を新設した意味がない。


 金正日時代にただ一回も開けなかった党大会まで開きながら金正恩が国家組織を正常に変える意図があるのか注目されたが結局、形だけの行事だったことが判明したのだ。


 金正日の二番目か三番目の妻で本妻として認められる金英淑との間に生まれた金雪松は、当初の組織指導部副部長だったが、金正恩政権になって組織指導部長に昇進したと見られる。消息筋は“今後、金雪松は金正恩を党的に補佐するなど役割が大きくなるようになった”、“金雪松は金正日が生きていたときから現地視察を多くして幹部たちの間で指導者として地位を固めてきた”と伝えた。


 北韓で中央党秘書の中で歴代の党組織指導部長は‘白頭血統’が務めてきた特徴がある。金日成時代に息子の金正日が組織秘書を務め、金正日時代には妹の金敬姫が組織秘書を務めた。また、金日成時代には弟の金英柱と息子の金正日が順番に組織指導部長を務めた。


 北韓では組織指導部は幹部たちを監視する機構で、反体制派を探し出す国家安全保衛部、住民を監視する人民保安部、軍を監視する総政治局と共に4大の監視機構と言われる。組織指導部はほとんど平壤の媒体に登場せず常にベールに覆われているのが事実だ。


 消息筋はまた、崔竜海は国務委員会の副委員長のうち組織部の幹部担当副委員長になって権力が強化されたという。また、金与正は宣伝扇動部の行事担当副部長として金正恩の護衛部隊を管掌している。


 金正恩の護衛業務は最も近い護衛を974部隊が担当し、5総局と護衛司令部が金正恩護衛部隊として三重に取り囲む警護体系をとっている。これを金正恩の妹の金与正が総括しているという。


 結局、金正恩は執権4年になっても国家正常化を達成できず、姉と妹にそれぞれ国家財政と護衛業務を任せている実情だ。最近、国家情報院は金正恩が心理的圧迫を受けており、これによる肥満症状を分析したことがある。


 金正恩は去る第7次労働党大会で目立って太った姿で現れた。就任直後90㎏と推定された金正恩の体重は今年に入って約130㎏と推定されて40㎏程度増えたものと専門家たちは分析した。この程度なら現在、金正恩は肥満による心血管疾患を患っている可能性が高いという見方も出ている。金正恩はお酒はもちろん、タバコも吸うため脂肪肝や肝硬変、肺機能の低下の可能性も提起された。


 実妹の金与正が金正恩の護衛を担当しているのは女性ではあっても当然の側面もあるが、異母姉の金雪松がいわゆる‘小枝’として排斥されないのは、金正日時代から忠誠心を見せてきたおかげのようだ。北韓で1-2回ほど金雪松を目撃したことがあると証言するエリート出身の脱北者たちは、“行事場で見た金雪松は長い髪に濃いサングラスをかけて丈夫な体を誇示しながら堂々とした姿だった”と証言する。


 金正恩の実兄である金正哲に対しては“ホテルの部屋で酒の瓶を割り騒乱を起こすなど若干の精神不安状態を見せている”と国家情報院が明らかにした情報もある。金正哲は昨年の冬には、弟の金正恩に‘一人前でもない私を配慮し見守ってくれる大きな愛に報いる’という忠誠の手紙まで書いたと言われるほと、金正恩が統治のため兄弟まで圧迫する実態が見られる。


 ところが、北韓当局は最高人民委員会で国務委員会の副委員長に黄兵書人民軍総政治局長、崔龍海労働党副委員長、朴奉珠内閣総理を軍・党・政を代表して任命した。


 国務委員には金己男宣伝扇動部長、李万建党軍需工業部長、金英徹党統一戦線部長、李洙墉党国際部長、李容浩外務相、朴映式人民武力部長、金元弘国家安全保衛部長、崔富日人民保安部長など8人を指名した。


 しかし、彼らは表に出るいわゆる‘顔マダム’の幹部にすぎず、金雪松が率いる党組織指導部の3人の第1副部長が実力者と認められている。3人は趙延俊幹部1副部長、金ビョンチョル軍事1副部長、閔ビョンチョル党生活指導1副部長だ。金慶玉に代わって軍事1副部長になった金ビョンチョルは空軍司令官出身だ。


メディアペン

www.mediapen.com 2016-10-30 07:00:00

更新日:2022年6月24日