統一の英雄を待ちながら
韓国人の利己的で図々しく破廉恥な選択のために呪われる悲劇を防ぐ人々が必要だ。

金成昱

(2016.10.14)


1.北韓は国際社会のホットポテトだ。大多数の国民はソフトランディング、いわゆる北韓の改革・開放と核兵器廃棄を望んでいるが、雰囲気は北韓急変、つまりハードランディングへと走っている。前者だけを夢見ていて何の準備なしに後者が起きれば、準備してきた強大国と国連が北韓を調理する。


2.最近また出る話が米・中のビッグディール説だ。北韓急変の後、米国は核兵器・生物化学兵器などを処理してから去り、国連に北韓を任せるというシナリオ、結局、中国が混乱期の北韓の広い地域を管轄するという要旨だ。鴨緑江で国境を接する中国は北韓問題に死活的利害関係を持つだけでなく、国連平和維持軍(PKO)にも最も多く参加するからだ。


 急変事態の際、中国はいわゆる親中性向の傀儡政權を作って支配し、統一韓國は今の韓国と変わらない領土に留まり兼ねない。統一韓国が得るものがあるなら数百万の難民だけだ。北韓に登場する政権も金正恩が消え核がないだけで変わることはあまりない。中国に100%依存した操り人形政権で、共産主義・反米主義・人権蹂躙は持続する。いずれはこの政権も崩れるだろうが、韓半島は一世代以上、深刻な混乱と低迷が持続し得る。


 大韓民国の指揮部や韓国の知識人集団は軟着陸を通じての協商統一だけを語る。現実は硬着陸を通じての急變事態へ進行中だ。プランAを夢見てもプランBも想定して国民的合意と国家的準備をすべきなのに馬耳東風だ。惨憺たることだ。そのうちいざ事故が起きれば、‘中国に立ち向かえない’という多数勢力と‘中国と対決することがあっても統一をすべきだ’という少数勢力がぶつかって極度の混乱に陥る。あるいは前者の勢力が圧倒して北韓はまたも暗黒の地になる。対話と協商を通じての北韓の改革・開放と核廃棄という可能性のない仮説にだけこだわって強大国の野合で事実上の永久分断を強いられる。19世紀末、無能な朝廷は列強の顔色ばかりを見て、日本の侵略と英・米の黙認、中・露の惨敗で滅びた。21世紀の韓国が滅びはしないだろうが、このように放心しては統一の望みは消える。

3.自由民主主義の価値を共有してきた韓・米・日同盟の強化と中・ロに対する事前の‘諒解と説得’は基本だ。韓半島は大韓民国の領土であることを内外に宣言する‘先制宣言’と中国の不當た介入があったら以北同胞との民族的連帯を通じてこれを追い払う‘宣撫工作’と‘失地回復’も必須だ。統一のために一度は渡り合う覚悟と剛毅があってこそむしろ犠牲を減らす。北韓同族の解放と救援、われわれの次の世代のため払うべき代価が必要なら、われわれが払うのが道理だ。


4.結局、問題は韓国の政治だ。四分五裂されたリーダーシップは外勢の干渉の前で五分六裂する。多くの知識人集団は、交易を理由に中国の顔色をうかがうはずだ。中国の不当な介入を克服してこそ統一韓半島、強大国の建設が可能なのに、目前の中国人観光客誘致とキムチ輸出を理由に譲歩しようとするはずだ。最近は、頭から‘中国の下に入ろう’と国家的自殺を煽る者らも少なくない。


 北韓急変の後、平和を装った分断の毒杯を飲めば、難民だけを抱える災殃が待っている。領土も取り戻せず資源も得られず、数十万か数百万の難民だけを抱える未来は暗闇だ。いわゆる統一韓国は親中傀儡政権とその後ろの中国の顔色を窺いながら衰退し、北韓同族は奴隷状態が延長される。韓国人のあの利己的で図々しく破廉恥な選択のために呪われる悲劇を防ぐ人々が必要だ。建国と近代化の英雄を継ぐ統一の英雄が出現せねばならない理由がここにある。


www.chogabje.com 2016-10-02 19:20

更新日:2022年6月24日