朴大統領、事実上北韓政権崩壊による統一を強調
“制裁と圧迫の全方位的な努力を”

金成昱

(2016.10.14)


 朴槿恵大統領の対北発言が段々断固とした内容に変わっている。朴大統領は10月11日、“脱北民は先に来た統一で、統一の試験場”と言い“彼らがわが社会に成功的に安着することは、当事者と家族の幸せを実現させることを意味と同時に、暴政に苦しんでいる多くの北韓住民に大きな希望を与えるという点で非常に重要だ”と言った。


 北韓政権を暴政として、北韓住民を暴政の下で呻いている希望と幸福のない集団として、また脱北と統一を幸せと希望として前提する話法だ。北韓政権の崩壊を通じての自由民主主義の統一を前提とした発言と言える。問題は、このような人間の基本的人権と自由に関する憲法的発言が、残り1年余りの任期中に実現できるかである。北核の実戦配備が数年内に完成し、米国の対北韓政策が協商と対話へ旋回すれば、朴大統領の発言は文字通り宣言的意味に終わり得る。

 朴大統領は11日、青瓦台で主宰した国務会議で“最近、北韓の一般住民はもちろん、幹部層の脱北も増えているが、北韓に未来がないという絶望感から脱出するか、子供たちの将来のため、または青少年たちが自らの将来と希望を求めて脱北するなど、脱北の動機もますます多様化している”と述べた。


 朴大統領は“関係部処は緊密に協力して脱北民の定着のための制度を点検し、自由と人権を求めてくる北韓住民を十分に収容できる体系と力量を早急に整えてほしい”と指示した。


 また、“北韓政権が国際社会でどのように評価されており、ミサイル発射や核実験にかかった天文学的な費用が住民たちの困窮した生活とどう関連しているかなどを北韓住民がよく分かるようしなければならない”と強調した。


 朴大統領は、金正恩政権に“核開発を止めないともっと強力な制裁が加えられることはもちろん、国際社会と北韓の対決構図がさらに悪化して最小限の外交関係維持も難しくなることをはっきりと認識せねばならない”と警告した。


 朴大統領は、“北韓が何も憚らず国際社会の規範と義務を無視したため、北韓と伝統的な友好関係にあった国々が断固として背を向けて始めている”と指摘した。


 そして“韓・米とEUをはじめ多くの国が、国連安保理の決議を補完し、制裁の実効性を高めるため独自の対北制裁を強力に推進しているが、北韓政権に実質的な圧迫を与えられる様々な制裁措置を主導的に講じ、より多くの国々の支持と協力を引き出すことにも努力してほしい”と指示した。


 朴大統領は、“昨日の北の労働党創党記念日に際して、また挑発の兆候が見られて韓米両国が対応態勢を強化し注視したが、今のところは挑発がないが、いつでも挑発の可能性があり、実際の状況に発展し得ることを承知して準備しなければならない”と強調した。


 朴大統領は政界の団結を強調しながら、「国民の党」の朴智元非常対策委員長兼院内代表の‘宣戦布告’発言を批判した。朴非対委員長は10月2日、朴大統領の国軍の日の記念辞を批判しながら、“北韓の崩壊と亡命を直接取り上げれば、金正恩労働党書記を圧迫するのではなく、‘宣戦布告’でないか”と言及した。


 朴大統領は“政治家たちと政府と国民が一つなって力を結集しなければ、北韓が実際に挑発したとき、われわれは対策なしにやられるしかなくなる”と言い“最近、一角でわが政府が北韓の挑発を誘導しているとか宣伝布告云々することは、北核問題を解決するのには全く役に立たず、事実と違う歪曲だ”と反駁した。


 続いて“そういう歪曲が蓄積されると、北核問題の解決のためわれわれを助ける国際共助を困難にするだけ”とし“われわれにはもう時間が多くない。政治が国民の安全を最優先にし、大韓民国とわれわれの子孫のため、北韓を変化させる道に力を集めることを頼む”と言った。


 朴大統領は、“われわれは、もはや北韓政権が決して自分の意思でに核とミサイルを放棄しないということを知っている”とし“一角で主張しているように対話で北韓の核を放棄させられたら、すでにいくらでもそうしたはずだ。しかし、全世界が取り組んでこれまで数多くの努力をしたにもかかわらず、北韓はひたすら核実験と弾道ミサイル発射などばかりこだわってきた”と指摘した。


 朴大統領は、“このような状況で、われわれが対話に執着するのはわが国民を危険の中に放置することで、北韓に時間だけを稼げるようにするのと変わりがない”、“今は北韓政権が挑発を放棄するしかないように、変更を強制するための制裁と圧迫の全方位的な努力をしなければならず、われわれの内部的にもっと団結し、強力な安保態勢を整えねばならない”と言った。


http://lebertyherald.co.kr 2016.10.11 13:42

更新日:2022年6月24日