“国連安保理の対北声明遅延は北韓へ誤った信号”

 

米国務省“明白な違反行為に対して国連安保理が迅速かつ一致した方式で対応しないのは数年ぶりに初めて”

VOA(米国の声)放送

(2016.5.13)

 

 北韓のミサイル発射を批判する国連安保理の声明発表が一週間も遅延されていることについて、米国務省が失望するという反応を示しました。北韓へ誤った信号を与え得ると懸念しました。白ソンォン記者が取材しました。


 北韓のムスダン弾道ミサイル発射を糾弾する国連安保理のメディア声明の採択議論が漂流しています。米国と韓国の軍事活動を問題にするロシアの同意が得られず、採択が遅れているのです。米国務省はこのような膠着状況に遺憾の意を表明しました。


 [録音:国務省官吏] “We are disappointed that the Security Council has been unable to agree to a press statement expressing concerns about the DPRK's most recent provocative ballistic missile tests due to the Russia's objection。”


 国務省官吏は5月5日、VOAとの電話通話で、国連安保理事会がロシアの反対のため北韓の挑発的な弾道ミサイルの試験に憂慮を表明するメディア声明に同意していないことに失望したと言いました。


 そして不安定を惹き起こす明白な違反行為に対して、国連安保理が迅速かつ一致した方式で対応していないのは数年ぶりに初めてだと指摘しました。この官吏はまた、安保理が分裂を続ける場合、北韓を大胆にするだけだと指摘し安保理加盟国は皆これに対して憂慮すべきだと強調しました。


 [録音:国務省官吏] “Continued Council division only further embolden the DPRK and should be a concern to every member of the Council。”


 安保理は先月の28日、ニューヨークの国連本部で北韓のムスダン弾道ミサイル発射に対応した‘非公式協議’をしており、このときメディア声明の採択を推進することにしました。メディア声明は、制裁決議や議長声明よりもレベルが低いため安保理理事国が大きな反対なしに同意してきたというのが外交街の説明です。


 ところが、ロシアは現在、米国と韓国の軍事活動を縮小することを要求する内容を声明に入れることを望んでいると知られています。ビタリ・ツルキン国連駐在ロシア大使は5月2日、ロシアのタス通信に“韓半島内の軍事活動の縮小を関係当事国に要求することが非常に重要だと考える”と述べ、次の日、ロイター通信にもメディア声明の草案に米国が好まない内容が挿入されたと表明しました。


 VOAニュースの白ソンウォンです。

 

www.voakorea.com 2016-05-06 02:55

更新日:2022年6月24日