1992年旧ソ連から北韓に流入されたプルトニウム(Pu)は56kg

北韓のプルトニウム保有量は見直さねばならない。

金泌材

(2016. 3. 8)

 

 ドイツの週刊誌<シュテルン>は1993年3月、“核兵器の発射ボタンの前に座っている人物たち”という題名の記事で、北韓に渡された旧ソ連のプルトニウム問題を扱った。以下はその記事の要約だ。

 

 <ロシアはユーゴやソマリアで見られるように武器を供給している。市場経済が導入されながらあらゆるものが取引されている。1万2000発もの戦術核兵器も密売可能性がある。2年前、核兵器が多く保管されていたアゼルバイジャンの軍事基地が襲わるところだった。中東では地域覇権を狙うイランが今世紀内に核兵器を保有する可能性がある。

 

 ドイツ情報機関によれば、イラン側の偽装企業600社がドイツなどから武器を密輸しているという。イスラエルはすでに核兵器を100発持っておりゴラン高原に核地雷を埋設し水素爆弾も保有していると推定される。旧ソ連の核専門家1万人の内3千人が核兵器を作る能力のある技術者だった。以前は政府から大事にされたが、今では年俸400マルク(当時の韓貨20万ウォン)の貧困で苦しんでいる。

 

 彼らの株価が高くなったのは2人の北韓外交官がチェリャビンスク-70やアルザマス-16という2つの核兵器製造基地出身の核科学者60人に4000ドルの給料を提案してからだ。最近伝えられた1990年2月22日付のKGB報告書は、寧辺で北韓の最初の核兵器が作られたという。ロシアの秘密情報要員たちが数週間前、公開したところによれば56kgのプルトニウムがソ連から北韓に密売(1992年)され、その前にすでに相当量の放射性物質の寧辺に到着したという。

 IAEA査察団は1992年5月、寧辺の核団地の近くでプルトニウム生産規模の手がかりを把握できる2つの核廃棄物貯蔵所を発見したが今まで査察を拒否しされている。>

 

 北側が核物質を抽出した代表的な場所は平安北道寧辺の5MW原子炉だ。1980年代からここでプルトニウムを抽出し2007年に中断したが、3回目の核実験直後の2013年4月から公式再稼働している状態だ。韓国国防部は、北韓が寧辺の原子炉からの使用済み燃料棒の再処理を通じて確保したプルトニウムの量を40㎏程度と推定している。

 

 国防部の2006年『国防白書』が推定した北韓のプルトニウム保有量は30㎏だから10年間10㎏程度増えたわけだ。もちろん、ここには北韓が旧ソ連崩壊後の闇市場から密かに確保したプルトニウムは含まれていない。

 

www.chogabje.com 2016-03-04 15:33

更新日:2022年6月24日