国際社会は北韓の秘密核実験可能性に備えなければ

“北韓は国際的圧迫が強化されればアフリカの国での核実験をする方案も選択し得る”

VOA(米国の声)

(2016. 2.22)

水爆実験の成功を祝う平壌市群衆集会(1月8日、金日成広場)

 

 北韓は核実験に対する国際的圧迫が強化されれば今後、秘密裏に核実験を実施するかも知れないと、専門家が主張しました。したがって、これに対する備えが必要だと指摘しました。李ヨンチョル記者が報道します。

 

 包括的核実験禁止条約機構、CTBTOが1月25日、オーストリアのウィーンで条約採択20周年を記念する国際会議を開催しました。

 

 「平和と安全のための科学と外交」をテーマとして開かれたこの会議で、日本原子力安全委員会の阿部信泰委員長は、北韓がこれまでは核実験の事実を公表したが、今後もそうする保証はないと言いました。

 

 [録音:阿部委員長] “As we succeed to mount pressure for countries like North Korea ...”

 

 北韓が今後、国際社会の批判と制裁を避けるため秘密裏に核実験をすると決定し得ることです。したがって、包括的核実験禁止条約機構は、北韓が秘密裏に核実験をする状況に備えなければならないと阿部委員長は言いました。

 

 阿部委員長は、実際に北韓が核実験場で発生する核物質の封鎖に次第に成功しており、3回目の核実験のとき放射性物質を検出するのに数ヶ月がかかり、今回はまだ検出していないと言いました。

 

 引き続き、今後、北韓の追加核実験のとき放射性物質を検出できない可能性があるため、このような場合にも、核実験の可否を判定できる新しい技術が必要であると強調しました。

 

 特に安倍委員長は、北韓がこれまで4回の核実験を北韓の内部で行ったが、今後は変わるかも知れないと展望しました。

 

 [録音:阿部委員長] “If the pressure mount、they may start think ...”

 

 北韓は国際的な圧迫が強化されれば、政府が正常に機能していないアフリカの国で核実験をする方案も選択し得るというのです。そうなれば、北韓が核実験をしたという点を証明し難くなると、阿部委員長は言いました。

 

 阿部委員長はそういう場合、現場調査が必要で、そうするためには包括的核実験禁止条約の早期発効が必要であると強調しました。

 

 包括的核実験禁止条約はあらゆる核実験を禁止して、新しい核兵器の開発と既存の核兵器の性能向上を防ぐことを目的として1996年に国連で採択され現在183カ国が署名し163カ国が批准しました。

 

 ところが、この条約の発効のために必ず批准せねばならない原子力能力保有国44カ国のうち、米国と中国、インド、パキスタン、北韓、イスラエル、イラン、エジプトなど8カ国がまだ批准していないため効力を発揮できずにいます。 VOAニュースの李ヨンチョルでした。

 

www.voakorea.com 2016-01-26 21:10

更新日:2022年6月24日