中国共産党の北韓に対するミサイル技術提供

金日成は1975年4月、中国を訪問して弾道ミサイル開発技術を北側に伝授してくれるよう要請

金泌材

(2016. 2.22)

 3段で構成された北側のテポドン系列ミサイルの1段ロケットは、中国のDF-3(写真)か類似系列のDF-4ミサイルを改造したものと知られている。

 

 北韓のミサイル開発計画は中国から術的支援を受けながら成長してきた。北韓が本格的にミサイルの開発に着手したのは1970年代半ば、中国がDF-61ミサイル開発計画を立てながらだ。DF-61は射程600㎞、弾頭重量1,000㎏、液体燃料を使用する1段ロケットだった。金日成は1975年4月、中国を訪問して弾道ミサイル開発技術を北韓に伝授してくれるよう要請した。

 

 これで中国は北韓とミサイルを共同開発すると合意した。ミサイル開発プロジェクトの総責任者は陳錫聯(1976年4月の天安門での周恩来追悼集会鎮圧責任者)将軍だった。中国はDF-61を自国用と北韓への輸出用の二種で開発した。自国用は射程1000km、500kgの核弾頭に、北韓国への輸出用は射程600km、1000kgの在来弾頭に、中国製の慣性装置と高圧ターボポンプによる液体エンジンなどで設計された。

 

 DF-61の開発は1977年始まり、中国は北韓技術者たちに誘導装置と核弾頭など核心部品を除いた、ミサイル開発の全過程への接近を許したと知られている。ソ連が1960年代に中国との理念紛争にもかかわらず中国にミサイル技術を制限的ながら提供したのと同様に、中国は北韓にミサイル技術を提供した。

 

 北韓と中国のミサイルの共同開発はその後も続いた。北韓は1981年、エジプトからスカッド-B(旧ソ連のR-17Eと同型)短距離ミサイル(SRBM)を獲得した。この過程で北韓とエジプトは同年の8月、ミサイル本体とリバースエンジニアリング技術の交換という‛科学技術合意’を結んだ。

 

 合意の主な内容はスカッド-Bより射程が長く弾着精度が高い弾道ミサイルの独自の設計による生産を目標に、エジプトはスカッド-Bを北韓に提供し北韓はこのミサイルをリバースエンジニアリングして、両国が科学技術者の交流を通じてその技術を共有することだった。

 

 この過程を通じて、北韓は核弾頭の装着が可能なスカッド-Bを改良し続けてスカッド-Mod-B、スカッド-Mod-Cなどを開発した。中国はこの過程で北韓にスカッド-Bのロケットエンジンと機体の設計製作に関する技術的支援をした。(続く)

 

www.chogabje.com 2016-02-16 17:20

更新日:2022年6月24日