“現状維持に安住すれば民族が弱化、消滅する”

韓米FTA協商を成功的に指揮した金鉉宗元通商交渉本部長の忠告。

(2016. 2.10)

趙甲済

 韓米FTA協商を成功的に指揮した金鉉宗元通商交渉本部長・国連大使(サムスン電子の海外法務担当社長歴任)は、数年前に書いた本『金鉉宗、韓米FTAを語る』(弘盛社)でこう書いた。

 <ホワイトハウスで盧武鉉大統領との午餐食会のとき、ブッシュ元米大統領は“多くの人々が知らないが、米国と中国は思ったより近い関係だ”と言ったことがある。大国の間では大いに妥協の余地があるということだ。大国らの思惑を誤って解釈し、それに振り回されて國益を毀損することが繰り返されてはならない。ミサイルと核兵器、化学兵器、長射程砲など北韓の軍事的脅威への対応能力を強化し、日本と中国の軍事力に対する最小限の抑止力も確保しなければならない。現状維持の持続は甘くだろうが、その末はわが国と民族の弱化ないし消滅として現われるだろう。>

 北の核ミサイルの脅威への対応措置とは自衛的核武装検討など、国を挙げての核安保体制の構築だ。ある元長官はこう言った。

 “私が大統領なら、行政複合都市を建設するとき地下都市を作り、ここに秘密核施設を置いて短期間で核爆弾を製造する。それから、北韓政権に対して‛おもちゃのような核兵器でわれわれを脅迫するな’と言い、周辺国には‛われわれは核兵器を放棄する用意がある。ただし、北韓も同時に核を放棄せねばならない’と宣言する。そうしてこそ、われわれが主導権を握って北核問題をわれわれの力で解決できる。米国の力を借りて北核問題を解決するというのは奴隷根性だ。米国の協力を得て核武装をする考えはなぜしないか。アフガンに1個連隊や旅団兵力を送った後、オバマ大統領に‛(使用済み燃料の)再処理施設を持つようにしてほしい’とすべきではないか。私がこのような話をすれば、韓国では精神病人の扱いをする風土だがイスラエルでは常識のはずだ。”

 われわれには時間がない。北側の核ミサイル実戦配備宣言の前、水爆実験の前、長距離ミサイルの再進入成功の前に決断を下さねばならないからだ。北韓選手の反則を中国という審判が庇う‛韓半島の核ゲーム’、この現状を打破せねばならない。現状維持と甘い生活も終わらせるときだ。

www.chogabje.com 2016-02-08 12:13

更新日:2022年6月24日