“全方位的核封鎖を通して自由統一の道を開こう”文化日報社説
核兵器が生存手段ではなく、体制の終末への‛頭痛の種’であることを金正恩が悟るようにしよう。
文化日報2016年1月7日付社説
(2016. 1.12)
北韓の4回目の核実験の可能性を二日の前に報道した文化日報が、1月7日付の社説で大韓民国が“北側の核攻撃にさらされた”と指摘し‛米国の戦術核の再配置’、‛独自の核武装’、‛イスラエル式の予防的打撃’などの代案を提示した。
文化日報は著名な現実主義国際政治学者のハンス・モーゲンソーの言葉を引用して“非核保有国(⋆韓国)が核保有国(⋆北韓)に逆らえば滅びるか降伏するかのどちらかを選ぶしかない”と指摘した後、“全方位的核封鎖を通して自由民主主義の統一への道を開いていく、災いを転じて福となすべきだ”と主張した。
以下は、文化日報(1月7日付)の社説全文
対北政策のパラダイムを‛全方位的核封鎖’に変えよ!
北韓の第4次核実験が水素爆弾実験だったどうか、技術水準がどこまで到達したかなどについては、いろんな主張がある。だが、明確なことは北韓が核爆弾の実戦配備を目標としたプログラムを一貫して進めており、初の核実験から10年間かなりの進展をなしたという事実だ。
今回の核実験から分かる情況は、北側が絶対に核武装を放棄しないことを明確にしたことだ。そして米国・ロシア・英国・フランス・中国など‛核クラブ’の5カ国のみが持つ水爆に挑戦するなど、‛レッドライン’を超えている。大韓民国の立場ではすでに核攻撃にさらされたと看做せねばならないほど、‛抽象的問題'ではなく、国家の生存がかかった‛実存的問題’になった。
北韓はすでに多量の核弾頭が作れるプルトニウムと濃縮ウランを確保している。4回の実験を通じて核爆弾の小型化・軽量化も相当進展させたはずだ。これを運搬する多様なミサイルも確保した。韓国は射程圏に入って久しい。さらに、韓米連合防衛体制を無力化するため潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実験も重ねてきた。
小型化、ミサイル、防衛システムの無力化など、3方向の武器開発は多少精度が落ちても数年以内に完成し合体されると予想される。もう非難と決議案ではなく、実質的・具体的措置が必要だ。対北支援を‛ニンジン’とした過去20年間の協商は失敗した。もはや躊躇する時間がない。
朴槿恵大統領は1月6日、“北東アジアの安保地形を揺るがし、北韓核問題の性格も根本的に変化させる可能性がある”と言い、“北側が相応の対価を払うようにする”と表明した。今回の4回目の核実験の本質を把握したものと思われる。問題は言葉ではなく実践だ。北韓の核は協商で阻止できないということが明らかになった。
残されたオプションは力で強制することしかない。核が生存の手段ではなく、体制を終末へ導く‛頭痛の種’であることを金正恩が悟るようにしなければならない。‛統一大当たり’などの幻想的未練を捨てて対北政策のパラダイムを‛全方位的核封鎖’に変えなければならない。
第一に、対北制裁に韓国が率先せねばならない。朴大統領は第一声で国際協力を強調した。しかし、米国が大統領選挙政局に入り中東問題などのため余裕のない状況でどれほど積極的に臨むかは未知数だ。中国も以前よりは強硬になるだろうが限界がある。大韓民国が牽引しなければならない。
まず、開城工団から根本的に見直す必要がある。北韓の改革・開放よりは、核開発費用を提供する‛裏口’の役割がもっと大きいと思えるからだ。開城工団を存続させながら、中国に対して北韓へのエネルギーや食糧支援を全面的に中断するよう要求できるか。
第二に、北側の核攻撃を防御できる軍事力を大幅に増強しなければならない。既存のキルチェーンと韓国型ミサイル防衛体系(KAMD)だけでは足りない。このような防御システムを補完する高々度ミサイル防衛システム(THAAD・サドミサイル)の配備も推進せねばならない。
こういう措置が完成しても完璧な防御は不可能だ。だが、少なくとも‛第二撃’を可能にする設備と地点を保護できる可能性でも高めることができる。また、このような意志と備えが北側の誤判を抑制するはずだ。さらに、イスラエル式の‛予防的打撃’も考慮すべきだ。そのための能力を一日も早く確保しなければならない。
第三に、われわれの非対称戦略である心理戦を本格化する。今回の水爆挑発によって‛8・25合意’は白紙になった。拡声器放送を再開せよ。対北放送・ビラなどの心理戦を全面稼動すべきだ。そのために北韓人権法の制定が急務だ。国内で無関心な心理戦が米国の支援で行われているのは情けない。
第四に、自衛的核武装も真剣に考慮するときが来た。‛現実主義国際政治学の父'と言われるハンス・モーゲンソーは核保有国と非保有国の関係について、“非保有国が核保有国に逆らえば、滅びるか降伏するかのどちらかを選ぶしかなくなる”と予言した。核に対する抑止は核をもってのみできるというのが核政治学の基礎だ。そうしないと、相手の慈悲心に生命と運命を任せるしかない。国際政治の力学上‛独自の核武装’が難しいなら、米国の戦術核を持ち込む問題を議論しなければならない。中国を圧迫する手段にもなる。
大韓民国は今‛まさか'という安易な考えや‛米国など国際社会が解決してくれるだろう’という依存心を捨てねばならない。だが、過度に萎縮する必要もない。
金正恩は自己の墓を掘った。‛全方位的核封鎖’を通して自由民主主義の統一への道を開いていく災いを転じて福となす契機にすれば良い。われわれの選択の問題だ。