韓国史教科書を正しく直すためには
[時論]不良歴史教科書に対する責任論
金容三(未来韓国編集長)
国定韓国史教科書の発刊をめぐる賛否の戦いが命を掛ける戦争へと拡大する勢いだ。左派はこれまで現代史を正しく記述した教育社の教科書に対して‛親日や独裁美化’という構図で攻撃して成果を上げた。今回は‛国定教科書=惡、検定教科書=善’という構図を作った。
至る所で戦われている激烈な戦闘の渦中に朴槿恵大統領の断固たる声が響いた。朴大統領は10月27日、国会での施政演説を通じて“政府が推進している歴史教育の正常化は、未来の主役である子供たちがわれわれの歴史を正しく認識し、大韓民国国民として誇りを持って育つようにするため”と言い正面突破の意志を明確にした。
新しい韓国史教科書の執筆問題は政府組織法によって教育部長官と国史編纂委員会(以下、国編委)が所信をもってやるべき問題だ。こういう問題にまで大統領が乗り出したことは教育部と国編委の明白な職務遺棄だ。
検定制の下でも教育部と国編委が検定権を確実に行使して誤謬と歪曲と捏造だらけの教科書を退場させるか修正を命じて紀綱を立てたら、今日の混乱は事前に十分予防できた。
しかし、韓国現代史は左派政権10年と金泳三政府の金正男教育文化首席秘書官までを入れると15年間も北韓式史観の洗礼を受けた親北・反大韓民国の民衆史観が津波のように教科書と文化界を焦土化させた。もう大統領が前面に出なければならないほどの韓国史教科書問題は体制の運命をかけた決戦場になってしまった。
正常な韓国史教科書を作る責任のある国編委すら左派から自由でなかった。その結果、“北韓全体主義を巧みに庇護する悪い歴史教科書を作ってきた最終責任者が国編委”という厳しい指摘がある。
国定韓国史教科書に賛成する右派の人士たちが国編委を攻撃する理由は、金貞培・国編委委員長が“教学社教科書の執筆陣は国定歴史教科書の執筆陣から排除”(10月14日)、陳在管・国編委編史部長が“権煕英教授(韓国学中央研究院)は排除し、いま執筆を拒否している研究者たちを三顧の礼を尽くして頼みたい”という発言を相次いで言ったためだ。
現在発刊されている検定韓国史教科書の中で最も客観的で歴史的事実に忠実な教科書として評価されるのが教学社の教科書であり、その代表筆陣が権煕英教授だ。しかし、国編委の責任者たちは最も模範的な教科書の執筆者たちを意図的に排除し、左派筆陣を三顧の礼で執筆を任せると宣言した。国編委の人々は一体何をするつもりなのか。
韓国史教科書問題の責任で自由であり得ない悪質な責任部署が教育部だ。黄祐呂副首相兼教育部長官は、熾烈な戦闘の渦中に現在まで終始対岸の火事を見るような態度をとってきた。怒り狂った青瓦台は10月19日、金載春教育部次官を更迭し、黄副首相に対する問責論が沸き上がった。
もうまともな韓国史教科書執筆のためには朴大統領が決断すべき時だ。今の教育副首相と国史編纂委員長をそのままに置いたら‛左偏向の国定韓国史教科書’という怪物が誕生し兼ねない。
黄副総理や金国編委員長などを泣いて馬謖を斬り、渾身で良い教科書、正直な教科書、正しい教科書を責任をもって作れる良心的な人士を教育司令塔に任命することが丁重に勧告する。
未来韓国 www.futurekorea.co.kr 2015.11.04 01:18