朝鮮日報の“米・中国防長官の前で米国に味方した韓国国防長官”という見出しは歪曲
韓民求長官は米国に味方したのではなく國益に立脚した。わが国の国益守護を表明したのだ。
趙甲済
今日(11月5日)の朝鮮日報1面記事は“米・中国防長官の前で米国に味方した韓国国防長官”という見出しで、“米・中葛藤の核心である南シナ海と関連した‛選択の瞬間’に韓国は中国の目の前で米国側に立った”と報道した。
記事を読んでみると、見出しが正確な表現でないことが分かる。南シナ海の葛藤は、米・中の間で1対1の対立というよりは中国と多数国家間の葛藤だ。続く朝鮮日報の記事がそれを証明する。
朝鮮日報は、韓民求国防長官が11月4日、マレーシアのクアラルンプールで開かれた第3次アセアン拡大国防相会議(ADMM-Plus)で、米・中が正面衝突した共同宣言文と関連して、‛南シナ海で航行と上空飛行の自由が保障されねばならない’という文句を入れるべきという米国の主張に賛成したと伝えられると報道した。この日の会議は中国が共同宣言文の文句に強く反対して跛行に終わった。
朝鮮日報によれば、政府の高位筋はこの日、‛韓長官が米・日・オーストラリア・フィリピンなどと一緒に、南シナ海で航行・飛行の自由を保障し、紛争が起きたとき武力や威嚇で解決しないという行動守則(COC)を共同宣言文に反映することで米国側と意見が一致した’と話したという。韓長官はADMM-Plusの本会議でも南シナ海での航行・飛行の自由を強調し‛関連当事国の間で締結した行動宣言(DOC)の効果的かつ完全な履行と共に、行動守則の早期締結努力で実質的な進展があることを期待する’と話した。その筋は続いて‛紛争は関連合意と国際的に確立された規範に基づいて平和的に解決されるべきだ、地域の平和と安定に影響を及ぼす行動は自制せねばならない’と強調した。
朝鮮日報は、フィリピン・ベトナム・マレーシア・ブルネイの4カ国が南シナ海で中国と領有権紛争中であると言い、この4カ国と米国・日本・オーストラリアなどはこの日‛航行・飛行の自由を保障し、紛争が起きたとき武力や威嚇に解決しないという行動守則を作るべきだ’と主張したと報道した。中国を取り囲んで‛1対多数’で圧迫する構図だったという。韓長官もここに参加しのだ。
韓国は、米国の肩を持ったのではなく、中国を除くほぼすべての隣接の国々(米国を含む)の立場に同調したのだ。中国が人工島を作って自由航行を脅かす事態に対して周辺の利害当事国らが反対するのはあまりにも当然だ。韓国は貿易貨物取扱量の約40%、原油輸入量のほぼ90%が南シナ海を経由して輸送している。南シナ海の自由通航の原則が脅かされる事態は韓国の安保と経済には致命的だ。韓国もフィリピンやベトナムのように利害当事国であるという話だ。
このような状況で韓民求国防長官が国際法と国際規範を守ろうとする方に立ったのは、米国に味方したのではなく國益に立脚した。国際法と國益を護る立場を表明したのだ。
興味誘発の次元で、米・中の対決構図に持ち込みながら、韓国が誰の肩を持つだろうかと記事を書くのは本質を糊塗する。国際法と国益を基準として区分すべきだ。韓国は、米国であっても国際法とわが国益を害すなら反対すべきだ。
韓民求長官は米国に味方したのではなく国益を守護したのだ。
www.chogabje.com 2015-11-05 21:42