国内外で見捨てられる朴槿惠の親中反日路線
中国が日本と和解したため韓国が心細くなったら朝鮮日報までが朴大統領批判に乗り出した。
趙甲済
経済に失敗した大統領は容赦されても、外交と安全保障で失敗した大統領は容赦されない。“国際情勢を高次元的に正確に理解した”(ムーチョ元大使の坪)李承晩大統領が外交的努力で建てた国を朴槿恵大統領が外交的に駄目にするかも知れない。
今日(4月23日)の朝鮮日報社説は“5ヶ月ぶりにまた開かれた中•日首脳会談、(韓国は)孤立を避ける戦略があるか”だ。中国の習近平国家主席と日本の安倍晋三首相が22日、‛バンドン会議60周年記念アジア•アフリカ首脳会議’が開かれたインドネシアのジャカルタで首脳会談をした。今回の会談は、昨年11月に北京での会談に続いて5ヶ月ぶりの会談だ。朝鮮日報の社説は、習主席が昨年7月に韓国を訪問した際、安倍内閣の退行的な過去事否定を正面から取り上げながら韓•中両国が一緒に対応しようと提案し、日本を‛盗賊’と呼んだこともあったと指摘しながら、その習がわずか数ヶ月の間に2回も安倍首相に会ったと遺憾を表した。日本は、米•中関係の変化の隙間を衝き、18年ぶりに米•日安保同盟を大幅に強化することに合意し、来る29日には日本の首相として初めてに米国で上•下院合同演説をすると言い日本の外交力を評価した。それから韓国の外交を批判した。尹炳世外交部長官は先日、米•中の間に挟まれたわが国のジレンマについて“両側からラブコールを受ける状況は頭の痛い状況ではなく祝福だ”と言ったが、‛外交首長がこのような話をして日本との頂上会談を3年も避けている間に相次いで中•日首脳会談が行われた’と反論した。そして‛政府は日本の退行的な過去事関連言動に対しては原則をもって対応し、安保と経済問題についてはもっと柔軟で現実的な打開策を考える必要がある’と主張した。
朝鮮日報をはじめとする韓国メディアらの一方的、感情的、非戦略的な反日報道に迎合し親中反日外交路線を堅持してきた朴槿惠大統領がこの社説を読んだら万感が交差したはずだ。朴大統領が条件なしに安倍首相と会談すれば歴史戦争を煽ってきた朝鮮日報などのメディアは‛自尊心のない外交’と激しく非難しただろう。中国からのラブコールと韓国メディアの反日報道を忠実に従ったため、日・中和解ムードと米・日の蜜月関係の進展のため韓国が孤立する様子を見せ始めるから、今はそういう事態の展開に責任のあるメディアらが朴大統領の反日外交を非難し始めた。指導者が扇動メディアや扇動された世論に従うより危険なことはない(ナポレオン3世はそのように対応して普佛戦争を招いてはプロイセンに大敗した)。
朴槿恵大統領は實利よりは人気、事実よりは扇動に弱い面を見せてきた。マスコミがセウォル号救助作業に関して海洋警察を乱打するや海洋警察の解体を指示し、偽りの扇動報道を通じて文昌克総理内定者を攻撃したら彼を放棄し、セウォル号の遺族たちが主張したら引き揚げる必要のない船体の引き揚げに数千億ウォンの国民税金を使う決定をする。
核武装した北韓政権に対しては条件のない対話を提案しながら、友好国である日本に対しては条件付の対話を求める。誰が見ても従軍慰安婦問題は韓国人の生存そのものを脅かす北核問題よりは優先順位が低いのにも関わらず、である。
朴槿恵政府の最大の自慢は、中国と韓国の関係が李明博政府のときより良くなったということだったが、サードミサアイル配備に対する中国の内政干渉から、そういう主張も根拠がなくなった。
1.中国は北韓の核開発を幇助した、敵の友だ。日本は北の核開発と人権弾圧に反対してきた、友の友だ。韓国が、敵の達を友の友よりもっと親しくしながら韓・米・日同盟で北核を阻止するというのが話として成立つのか。
2.朴槿恵大統領の対中外交が成功的なら中国が北韓の核問題を解決してくれるはずではないか。現実は逆だ。北韓に対して実効性のある圧迫や制裁を加えないだけでなく、北の核ミサイルを防御する在韓米軍のサード・ミサイル配備まで反対して、事実上北韓の核に味方している。対中外交は失敗した。外交は社交と違う。習近平が社交的に朴槿恵大統領を厚くもてなすのが重要なことではなく外交的に韓国を尊重することが重要だ。大統領の社交が国家利益を増進させなかったら、騙されたのではないかと疑う必要がある。
3.対日外交の目的は何だったのか。(日本側の)独島領有権主張を放棄させ、従軍慰安婦問題に対する‛真正性のある謝罪’を受けることだった。この目的も得られなかった。安倍政府はもっと強硬になり、何よりも普通の日本人たちの反韓感情が増大し、歴史問題において韓国側の肩を持った朝日新聞などの対韓姿勢も変わり影響力が落ちた。
4.日本や安倍政府が国際的に孤立したのか。日本に不利な内容の記事だけを選んで報道してきた韓国のメディアだけに接すれば、反省を知らない日本は、米国、欧州では罵倒される悪い国の扱いをされると思うようになる。実際はどうか。安倍政府は国内では支持が強く国際的にも健在だ。国際的な世論調査では、日本人がドイツ人と共に最も好感度の高い国民と言われる。
5.日本と中国は敵対関係か。朴槿恵政府は中国がいつまでも日本と戦ってくれることを望んだようだが、事態は逆に進んでいる。中国と日本の2回の首脳会談の他にも、関係改善の動きがいろんな所から感知される。日本は韓国以上に中国人の観光客ブームで沸いているが、中国人たちが日本に対して良い印象を持って帰国して日中関係の改善にも貢献しているという。
6.米国は日本を叱って韓国の肩を持っているのか。米国の立場からは反米政権が登場する可能性がない日本と、左派政権を10年間経験した韓国に対する信頼度が違うしかない。韓国に対する長期的な信頼が揺らいでいるのに、その韓国のため日本を圧迫するはずがない。北核と中国の膨張を牽制するために先頭に立つ日本を米国がもっと信頼するようにした責任の相当の部分は韓国の反日・反米風潮だった。特に、安保を重視するという韓国の保守層が反日にも加勢して結果として韓米日同盟を弱体化させるのを見て、米国が日本に傾斜する態度をとるのは不思議なことでもない。
7.朴大統領はタイミングを逃した。昨年の夏までは強い立場で安倍首相に会えたが今は変わった。日本としては、米国とは関係がもっと良くなり、中国とは改善されている情況であえて低い姿勢で韓国との関係改善を模索する必要性を感じない。低質記事で朴大統領を侮辱した産経新聞記者を‛生還してきた戰士’のように迎えて慰労した安倍首相の態度が、朴大統領に対する姿勢の表れだ。
8.戦略不在の親中反日路線は、必然的に反米に変質し、韓半島の共産主義者たちだけを利する。安保と外交は韓国人の生存と直結する。これを過去の問題である歴史論争に従属させたのが大間違いだった。指導者には國政の優先順位、つまり大小緩急を混同するのが最大の過ちだ。李明博の反日路線を継承した朴大統領はさらに親中路線まで追加したことで、反米に進む道を開いて韓半島の左翼勢力が望む状況を作った。この路線がまた登場するかも知れない左翼政権によってもっと悪化すれば、大韓民国は共産独裁である中国や北韓側に立って、米国や日本に敵対する道へ走るかも知れない。親中・親北路線は親共産独裁であるため、反自由路線に進むことになる。そういう外交路線では自由と民主と繁栄は護れない。親中は自由民主主義の放棄を意味するから。
経済に失敗した大統領は容赦されても、外交と安全保障で失敗した大統領は容赦されない。“国際情勢を高次元的に正確に理解した”(ムーチョ元大使の坪)李承晩大統領が外交的努力で建てた国を朴槿恵大統領が外交的に駄目にするかも知れない。
www.chogabje.com 2015-04-23 07:10