自由の北進、平壌を越えて北京まで
韓国の光が必要なChina(4)
金成昱(社)韓国自由連合代表
1.“中国の高度成長は止まるしかない”
世宗研究所の金起秀博士は自著の『中国、一体なぜこうするのか』(日本語訳;『蜃気楼か、中国経済』)でこう解説する。韓国教育科学技術部の2008年統計を引用して“世界最高技術364件中74%の270件が米国にあり、日本は34件、中国は1件もない”と、中国の成長の胎生的限界を指摘する。科学技術が発展するためには、社会が自由化しなければならず、自由な思考と情報の自由を保障できない社会は、科学・技術を発展させられないということだ。科学発展-技術進歩-知本主義は結局一つであるという指摘だ。
未来創造科学部は2014年、世界最高技術の最新版を発表した。この発表によると、米国を100点満点としたとき、EUは98.9、日本97.1、韓国83.4、中国72.3点だった。120個の国家戦略技術のうち、米国は97個の分野で世界最高の技術を持ち、EUは13個、日本は9個、中国は1個を保有しているという。
中国が保有する唯一の世界最高の技術とは‛漢方医学の効能と機転究明技術'だ。米国は未来成長動力産業の13個、つまり5世代移動通信、深海海洋プラント、スマートカー、知能型ロボット、ウェアラブル・スマート・デバイス、実感型コンテンツ、カスタマイズされたウェルネスケア、災害安全管理のスマートシステム、再生可能エネルギーのハイブリッドシステム、知能型半導体、融合・複合素材、知能型物事インターネット、ビッグデータなどの分野で最高の技術国だった。
中国が米国を抜いて世界1の国になるためには科学・技術の発展が必須だ。そのためには情報、知識、価値の自由が拡大されることも必須だ。要するに中国共産党一党独裁下では成長の頂点が存在するしかないということだ。
世の中の理は同じだ。急いで追い付くためには科学技術を盗むしかない。UCアーバイン校のピーター・ナバーロ(Peter Navarro)経営学部教授は自著の『中国が世界を支配する日』で“確認された中国のスパイを10万人以上”と書いた。今知られているFBIの正式要員は1万3,000人程度だ。
2.中国の悩みはますます深まるはずだ。科学と技術の発展のための‛自由の拡大’は、暴圧と統制で維持してきた中国の分裂を意味するからだ。
中国は国家的に経済的繁栄を生み出したが、国民の12%である1億6,000万人がなお極貧層だ。農民工と呼ばれる地方出身の都市労働者も1億2,000万人に達する。彼らはお腹がすいたらいつでも暴徒に変わる流浪民のような存在だ。一日の収入1ドル未満の絶対貧困層は2億人に達する。2ドル未満は全国民の54%程度だ。
国は金持ちになったが国民の多くは貧しい国、これが中国の素顔だ。全人口の0.3%である390万人が中国総預金の1/3以上とGDPの30%以上を占める国。上位1%が中国全体経済の41.1%を占める国。中国の素顔はこのように粗い。
先鋭化された二極化は集団の憤怒を呼ぶ。2009年の統計によれば、中国で交番襲撃以上の暴動は7万4,000件だった。7分に一回の割合で交番が攻撃されるのだ。2010年10月23日付のエコノミストは、2009年に中国内の暴動回数は7万4000件ではなく9万件にのぼると報じた。5.8分に1回の暴動。これは1993年に比べて10倍以上増えたのだ。
‛階層間の葛藤’はもちろん、‛民族間の葛藤’が時限爆弾のように起動している。経済が‛狂ったように’成長しなければ、分裂と分離、少数民族の独立につながるしかない。どうすべきか。
国家の正常な発展は、科学発展-技術進歩-知本主義という‛自由の拡大’を前提とするが、自由のリスク(?)が分かる共産党政権は、ますます反対の方へ走るだろう。内部の圧制と暴力を外部に投射する「中国式帝国主義」の拡散がそれだ。暴圧はいずれ崩れるだろうが崩れるまでの間に、全世界の虚弱で無秩序な国々は、あらゆる羞恥と大変な苦労を強いられるかもしれない。
3.米国内の主な流れは、自分の利益を満たすための野蛮人集団のように中国を活用する。自由の氾濫と放縱が生んだ米国の知識人集団の偽善は“中国に時間と繁栄を与えれば、言論の自由、人権、知的財産権、自由貿易、投票の神聖さを尊重する文明国家になる”という論理を作出した。
自由主義、機能主義、包容主義、現実主義、世界主義、フリーメーソンなど、多様なイデオロギーをもって顔を変える、2015年に米国の主流的流れは、中国が体制を護るため、もっと暴圧的に走るしかなく、アジア・アフリカ・南米の後進国はもちろん、一番先に中国の人民が苦痛を受けるようになるという真実を知っている。だが、すでに神聖な宗教的価値を捨てたこれら世俗主義者たちは、自分たちが主導していく全地球的支配秩序のため、‛質の悪い’行動隊長として中国共産党政権を使用する。中国が生産したでたらめの商品とごみ食品、唯物論的価値などが必要であるためだ。オバマの一喝のように“中国の平和的浮上が世界と米国に共に有益であることを信じて疑わない”ということだ。
4.それでも真理は歴史の中で働く。極大化したオーウェル式の全体主義のシステムはある瞬間、抵抗にぶつかる。中国が北韓の主体思想政権・偶像崇拝体制の崩壊を恐れる理由はこのためだ。恐怖と抑圧のドミノ崩壊を憂慮するのだ。
これは逆説的に真実を物語る。北韓同族の苦痛を終息させる自由の北進は、自由の波になって中国とアジア全体を総なめにするようになるということだ。中国の人民と中国の影響力の下で後進国の人類が経験する羞恥と困辱を防ぐなら道の一つだ。自由の北進!平壌を越えて北京まで。
時間がかかるかも知れない。だが、結局、獄門は開かれ、自由は拡散される。いつかはチベット、新疆ウイグル、モンゴルなど中国共産党に支配された国々の民族は韓国が主導する神なる連合(holy union)のメンバーになって、世界に平和を伝えるだろう。
神なる進歩を夢見る人々が現れねばならない。狭い休戦線以南での戦いは休戰しよう。互いに殺し合う消耗内紛を止めよ。あらゆる正義感、あらゆる恨み、あらゆる切迫感は北韓の邪悪な政権の後で働いている暗闇と死の陣に向かおう。平壌の共産政権を解放した後は、北京の共産政権を、(中央アジアに建てた)匈奴族の国々を経て地中海の海原までの自由の北進。これが韓国民の使命であり避けられない運命だ。
http://libertyherald.co.kr 2015-09-27 21:07