中國共産党が主導する「6者会談」は欺瞞
中国は核拡散を禁止するほぼすべての条約に加入している。にも拘らず、中国はあらゆる核関連条約を無視し北韓とイランの核拡散を助けた。
金泌材
北韓とイランの大量破壊兵器(WMD)拡散の背後には中国共産党が隠れている。韓国政府は今、中国-北韓-イランをどう捉えるべきかに対して結論を出さねばならない。
「6者協議」は事実上韓国と日本の核武装を拒むため核武装国である中国、北韓、ロシアが繰り広げる「協商戦略」でかつ「詐欺」だ。米国のヘンリー・ソコルスキー核不拡散政策教育センター所長は数年前、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、意図的に北韓の核開発を助けている中国に向かって、北韓核問題の解決を乞うて一体何の意味があるかと批判した。
中国は核拡散を禁止するほぼすべての条約に加入している。にも拘らず、中国はあらゆる核関連条約を無視し北韓とイランの核拡散を助けた。
北韓は中国共産党の黙認下、中国の港を経由してイランにWMDを提供した。(上の写真は産経新聞のインターネットレビューから)
大量破壊兵器(WMD)を輸送する北韓とイランの船舶や航空機は、下記のように中国の港と空港(人民解放軍の空軍基地)を利用した。
(1)米海軍は2002年12月9日、15基のスカッドミサイルを積んでイエメンに向かっていた不審船「ソサン号」(北韓船舶)を拿捕した。事件発生後、スペイン国防部は「ソサン号」の最後の停泊地が中国の港だったと発表した。
(2) イラン船舶が2002年2月と12月の二回にわたって天津港(中国)に停泊して北韓のミサイル部品とロケット燃料を積んだ。韓国政府筋は当時、イランへ輸出されるミサイルは北韓産であるミサイル本体や酸化剤と一緒に中国が生産した誘導装置が結合されて完成品になると言った。
(3)中国は2003年4月〜7月の間、イランのイリューシン(Il-76)輸送機の中国領空通過を許容、6回にわたってイランが北韓からクルーズミサイルを運搬するようにした。ブッシュ政権はイランに領空通過権を許可した中国に外交的に抗議した。
(4)2003年9月11日、米上院外交関係委員会の公聴会で、ジェームズ・ケリー国務次官補はラッセル・ファインゴールド上院議員に北韓航空機の中国領空通過や給油問題を公開した。
(5)インドは2008年8月、ミャンマーに着陸した北韓航空機に対してインド領空通過を許可した事実を否認した。当時、武器を積載した北韓航空機の最終目的地はイランだった。米国はこの事件を通じて、中国側が北韓航空機の貨物の中身を知っていながら、そういう航空機の自国領空通過を許可してきた事実を知るようになった。
(6)アラブ首長国連邦(UAE)は2009年8月、UN安保理が採択した対北制裁決議案1874号(Resolution 1874)履行の一環として北韓製武器をイランへ運ぶ貨物船「ANLオーストラリア」を検挙した。運んでいた貨物は、北韓南浦港で船積みされて中国の大連港を経てイランのバンダル・アッバースに向かうものだった。
(7)2009年12月、北韓産武器を輸送するグルジア国籍のIL-76輸送機が給油のためバンコクに着陸したが、米側の情報を受けたタイ当局に押さえられた。当時、輸送機の中の北韓製武器は、中国で積まれたもので中国側はこの事実を知りながら黙認したことが分かった。
革命の手段としての「共産主義の協商戦術」
協商理論専門家であるフレドC.イクレ(Fred Charles Ikle)博士は協商を「利害が衝突したとき、共同の利益の交換や実践に関して意思の一致を目的に明白に自分の意思を開陳する過程」と定義した。
だが、共産主義者たちは協商を共産主義革命過程の延長であると定義している。戦時には戦争の延長として、平時には形を変えた革命闘争の継続として、協商に意味を付与してきた。したがって、共産主義者たちの協商観は、自由陣営が追求する紛争の回避策ではなく、相手を欺くための戦術だ。
レーニンは「不可避な状況ではいかなる和解も結ぶ可能性を考えよ。ただし、理念的原則は失わず、階級性に忠実で、革命課題を忘れず、いつかは訪れる革命機会に備えて力を蓄え、大衆に革命への必勝の信念を教えるという名分を守らねばならない」と強調した。彼はまた、「和解を求めるのは力量を蓄えるための手段で、平和は戦争準備のための一種の休憩方法」とも力説した。
金日成は「対話であれ協商であれ、我々は敵を鋭く攻撃して敵を窮地に追い込む、革命の積極的な支流的攻撃形態であると考えねばならない」と言い、レーニンと同じく協商を革命闘争の手段であると認識した。
www.chogabje.com 2015-09-08 10:00