韓国は今‛国情院の存廃’をかけた内戦中
金容三(未来韓国編集長)
民間人査察をしてはならないって?では、間諜たちが額に“私は間諜”と書いているか?
金大中と盧武鉉の大統領選挙キャンプで働いたことのある友人に直接聞いた話がある。金大中元大統領は、国家保安法、そして国家情報院の監視と査察を非常に恐れたという。彼に生涯付き纏った親北フレームにも大いに負担を感じたという。
大統領として在任中に大韓民国の主敵の首魁に5億ドルという天文学的な金額を秘密裏に不法送金して、北韓の核武装を支援したことなど、いろんな情況から見れば、金大中に対する国家情報機関の監視と査察、そして秋霜のような国保安法の存在は、大韓民国の国家安危のために本当に肯定的に機能したことが分かる。
金大中大統領だけがそうだっただろうか。当時、野党と関係を持っていたスパイ、利敵行為者、反国家事犯、社会共同体の破壊者たちも情報機関の監視と査察、盗聴や尾行、そして国家保安法の存在は恐怖そのものだった。そういう監視と査察、盗聴や尾行、そして厳しい国家保安法のおかげで、金洛中とムハマド・カンスなど数多くのスパイを逮捕して国家安保を護り抜いた。
何か後ろめたい人々は国家情報機関の円滑な活動が非常に負担になり、時には自分の生と行動を縛り付ける殺人武器も同然だと思ったはずだ。だが、納税の義務、兵役の義務、勤労の義務を誠実に遂行し、法治の下で日常生活を営んできた一般国民は生活に何の不便もなく、情報機関の存在と活動のために社会生活に支障を受けることもなかった。
時代が変わって情報機関の査察対象だった人々が最高権力を握り、権力の力で過去国家保安法によって処罰されたことのある多くの人々が「民主化闘士」の外皮をかぶって国家の核心要職に就いた。その後、どういうことが起きたのか。
彼らを監視、査察した国家情報機関を「民主化」という名目で‛改革’に取り組んできたことは国民が皆知っている。そのとき、平壌側は「暴圧統治機構粉砕」というメッセージを発し続けた。
この国の安保の第一線で戦ってきた戰士組織を「暴圧統治機構」や「民主化」というフレームで破壊した。そのため、金大中と盧武鉉政府を経て李明博政府に至る間、国家情報機関は歯や爪が抜けた病気の猫のようになった。
金大中政府の国家情報機関の首長だった者(⋆林東源)が、従北論争の主人公である申恩美という女性を満場一致で「統一文化賞」受賞者と決定した『ハンギョレ新聞』傘下の「ハンギョレ統一文化財団」の理事長を務めていることが全くおかしくない。
国家情報機関は不審な人は徹底的に、しっかりと監視し尾行し査察して万が一、国家主要機密の漏洩やテロによる国民の生命と財産に損失が生じる行為を阻止すべき義務と責任がある。このようなことは国家運営の基礎常識に属する。
残念ながら、われわれはこのような基本常識すら通じない国に転落してしまった。民間人を査察することが恰も大逆罪や国家反逆罪でも犯したように罵倒し攻撃して、国家情報機関をドブの奈落に落として侮辱を与えている。
南派工作員や反国家事犯、テロリストたちが額や胸に「私は間諜」あるいは「私はテロリスト」と書いているのか。甚だしくは、ある間抜けの左派人士は、“仮に、彼が問題のある人物であっても、査察やハッキングをしてはならない”と高邁な理想論を説く。こういう主張をする人々までわれわれ共同体の一員として受け入れて共に生きるのが正常なのか。
現在の大韓民国は正常国家でない。強大な敵に囲まれて、いつどういうことが起こるかわからないイスラエルは、自国民の生命と財産を保護し守るため、周辺の国々の最上層部にスパイを浸透させ、武力攻撃を辞さず、尾行や盗聴はもちろん、拉致・暗殺までも白昼に堂々と敢行する。
対象を選ばないイスラエル情報機関の無慈悲な行為のため、その国の国民の生命と財産が十分に保護されている。イスラエル情報機関が自国の安保のため行った暴力的な行為や非民主的な傍受、盗聴、尾行、拉致などの行為が、政治的争点になり、情報要員が自殺をしたという話を聞いた記憶がない。
われわれは地球上最悪の集団を敵国として対峙している。この敵に対して「同じ民族」と寛容を施し、わが社会共同体を破壊するため強引に浸透してくるスパイを摘発するための尾行、監視、盗聴、査察もやってはならないという主張は、“自滅して国であることを放棄しよう”という扇動だ。このような主張をする者らこそ大韓民国という国家共同体を破壊しようとする反逆敵対勢力だ。
こういう時ほど、国家情報院は奮発せねばならない。目を見開き、スパイと反国家事犯、テロリスト、国際麻薬密売団などを抜本塞源し、この国の安全を護り抜かねばならない。国家情報院は「暴圧統治機構」ではなく、大韓民国守護の尖兵であるからだ。
いまこの国は、国家情報院を「暴圧統治機構の代名詞」と言い情報機関を倒そうとする勢力と、国家情報院を強化して安保を護ろうとする勢力とが、「大韓民国の存廃」をかけた内戦が展開されている。国家情報院を破壊して大韓民国の安保を倒そうとする勢力の7月の総攻勢が始まったのだ。
この内戦で勝利してこそ体制守護が可能で、正常国家としての作動が可能になる。強力な左翼、日和見主義的な政界、無能な政府のため戦況はちょうど‛6.25戦争’の洛東江防御線戦闘を彷彿させる。もうわれわれはこれ以上退く所もない。洛東江防御線でウォーカー米8軍司令官は叫んだ。
“われわれはもはや退けず、退く所もない。何があっても決して後退はありえない。私がここで死んでも最後まで韓国を護る。君たちが掘ったバンカーの中で死ぬまで戦え。護り抜くかそれとも死ぬか(stand or die)のどちらしかない。”
今、われわれも“護り抜くのかそれとも死ぬか”の悲壮な戦いをやらねばならない。
www.futurekorea.co.kr 2015.07.23 12:38