外交にタダはない。中國の歓待を喜べない理由
金成昱(社)韓国自由連合代表
外交にタダでない。それで社交と違うのだ。中国側の朴槿恵大統領への豪華なおもてなしには必ず代価が伴う。3兆8千億をかけて行った閲兵式の費用を回収しようとする。
中国はまず10月の韓米頂上会談で高々度ミサイル防衛網(THAAD)の韓半島配備の無力化を期待する。THAADは駐韓米軍が北側の核ミサイルから自分を護る手段で、これを許容するのも韓国の主権的領域に属する。それでも中国の反対は執拗だ。2014年6月、習近平の公開的言及をはじめ、今年5月、韓国を訪問した中国の国防首脳たちや大使など等。多くの人々がTHAAD配備に反対を表明した。
中国の要求はこれに止まらない。韓国が米国との同盟から離れて中国が主導する北東アジア秩序に編入することを促す。「中國的秩序」、つまり新中華秩序の輪郭は今回の韓中首脳会談でも現れている。
▲「韓半島の緊張を高潮させるいかなる行動にも反対」。これは、いわゆる米国の影響力を排除する平和概念だ。中国は今まで韓半島の緊張高潮の原因として北韓はもちろん、挑発に対応する韓米両国の軍事訓練まで含めて批判する。兩非論だ。北側の挑発を押さえるなら北韓に無料で提供する重油と食料を直ちに止めるべきなのに、そうしない。
▲「韓民族による平和統一」。これもわが憲法第4条の自由民主的基本秩序による平和統一でない。既存の両非論観点に立脚した聯邦制概念に近い。「韓民族による」という修飾語は中国が主張してきた「自主的平和統一」と同じだ。米軍を排除した統一を意味する。急変事態のとき韓米連合軍の北進を容認しないと聞こえる。
▲「意味のある6者協議の早期再開」は北核の廃棄とは違う。2003年から2007年まで中国の主導で行われた6者協議は、北側の核実験(2006年10月9日)で失敗した。北側に核開発の時間と資金を稼ぐようにしただけだ。米国は6者協議再開の条件として「北韓の核活動の中断」を掲げているが、このような前提のない中国の要求を韓国が呑んだのだ。
▲「9・19共同声明の履行」も北韓はもちろん、米国に対する要求であると解釈される。2005年9月の4回目の6者協議で合意された「9・19共同声明」は北核の廃棄」と、いわゆる「韓半島平和体制」を約束したものだ。ところが、米国のBDA対北金融制裁が開始されるや、北韓はこれを破棄した。中国は「9・19共同声明」が米国のために実現されなかったと主張する。
以上の新中華秩序は中国の一貫した主張だ。「北韓は暴れすぎるな」というだけで、北韓の挑発中断、核の廃棄、自由統一とは距離が遠い。
韓中「蜜月」は北韓に分別力を強要し韓国経済に肯定的な影響を与えるのは確かだ。韓国の対中輸出が全体の26%を占めるからそう言える。だが、これはミクロ効果にすぎない。中国経済は減速し米国経済は活況を呈している。専門家たちは中国依存型の経済が得より失に変わっていると言う。KDIは「中国の成長率1%p下落のとき韓国の成長率0.17%p下落」の公式をいう。韓国経済は最小限の成長率が一般的に3%と言われる。ムーディーズの8月28日の報告書は、来年度の韓国経済の成長を3%から2.5%へと評価した。中国の経済成長率が6%を下回ると国内的、政治的不安が爆発するはずだ。
韓国が中国の朴大統領への歓待を喜べない理由は一つや二つでないのだ。
http://libertyherald.co.kr 2015-09-04 20:54