外交なのか社交なのか?
朴槿惠大統領は中国の前ではなぜここまで小さくなるのか。
趙甲済
中国が韓半島の統一過程に介入、韓国を韓米同盟から引き離して中立化しようとするなら、韓国は統一の意味を再検討すべきだ。韓米同盟を犠牲にして中国の属国になるのが統一なら、そんな統一はしないのがましだ。統一のためにわれわれの生の在り方(言論の自由、選挙の自由、市場経済、個人の人権)を譲るわけにはいかない。
“‛最上級のコース’朴大統領・習近平の昼食メニューを見たら...” これが今日(9月3日付)朝鮮ドットコムのトップ記事だ。朴槿惠-習近平の会談で交わされた話は新しいことがない。中国は韓半島に対する両非論や両是論の立場を維持し、韓国は中国に対して言うべきことを話さなかった。國益を置いて熾烈に対話する様子でなく、良いものが良いという式の会談だった。特に中国に対しては屈従的と言えるほど低姿勢を見せてきたメディアが徹底した胡麻擂りの報道をするから、これが外交なのか社交のか混乱するほどだ。マスコミは習近平が韓国大統領に‛最上級コース’の料理を提供したことまで最も大きなニュースとして取り扱う。韓国人たちは畏まるべきだという意味か。
朴槿恵大統領は、北進統一を拒み離散家族や国軍捕虜問題など数多くの悲劇をもたらした中共軍の不法侵略、これに対する国連総会の侵略者決議という過去事にもかかわらず、その侵略軍が主管する戦勝節記念行事に出席しました。
出席を決心するまで悩んだと言うが、では国民にその悩みを説明すべきだった。北韓軍の銃で死んだ国軍と米軍より、中共軍に殺された国軍と国連軍がもっと多い。その中共軍の戦勝節行事に出席するためには、地下で眠っている戰死者たちを考えてでも国民に説明すべきだった。これは国軍統帥権者としての最低限の礼儀のはずだ。
1.中国が支持するという韓半島の平和統一は、わが憲法が定めた平和的方法の自由統一でない。
2.中国が話す‛韓半島の緊張反対’という言葉の中には韓米連合訓練への反対も含まれる。
3.‛6者協議’の再開は、北韓政権が核ミサイルを実戦配備した状況では何の意味もない。6者協議を成功しないようにした最大の原因提供者は中国だ。
4.北の核ミサイル實戰配置に無防備状態にさらされた朴槿恵政府は、米国に対してはTHAAD(高々度ミサイル防衛網)の配備を要請せず、逆に中国を通じて北核問題を解決しようとする意図を見せている。中国は、北韓に対する影響力が制限的で、北韓の核武装が國益に合致すると判断するはずだ。
5.自由陣営の国々、米国と同盟した国々が出席を拒否した戦勝節行事に、中共軍の侵略の第1の犠牲者である朴槿恵大統領が出席したことは、韓国政府は韓米同盟より韓中関係をもっと重視するという誤解を植え兼ねない。国際関係でも序列があるものだ。韓中関係を韓米同盟より重視する瞬間、韓国は対中事大主義路線に復帰することになる。
6.中国が韓半島の統一過程に介入、韓国を韓米同盟から引き離して中立化しようとするなら、韓国は統一の意味を再検討すべきだ。韓米同盟を犠牲にして中国の属国になるのが統一なら、そんな統一はしないのがましだ。統一のためにわれわれの生の在り方(言論の自由、選挙の自由、市場経済、個人の人権)を譲るわけにはいかない。核兵器を持たない韓国が、核兵器を保有した大国の間で中立化するということは、自ら‛エビ'(弱小国)の道を選択することになる。
7.朴槿惠大統領の外交は、1人外交、感情外交、人気外交の印象を与える。見栄えより國益を重視する現実的な外交が求められる。北韓政権が核を持ち、われわれは持たない状態で‛恐怖の均衡’を提供するのは米国の核の傘だ。北側の核ミサイル実戦配備が現実化すれば、韓米同盟をもっと強化して核の傘を確実にしなければならない。このようなとき、逆に韓米同盟を弱化させ、北核の後見勢力である中国に傾いたら、韓国は‛安保的自殺’の道を歩むことになる。中国は、韓米同盟を弱化させた、つまり核の傘もない韓国を弄ぼうとするだろう。
8.韓国人が今日経験している苦痛の原因を提供した中共軍の不法侵略を許す朴槿恵大統領が、従軍慰安婦問題を中心として韓日関係を3年間持ってきたことをどういう論理で説明するのか。中国の蛮行は忘れるべきで、日本の蛮行は忘れてはならないという考え方に普遍性があるのか。それとも韓国人の骨の深くに染みている対中事大主義を外交の原則とするつもりか。韓日首脳会談をせず韓・中・日首脳会談をすれば、日本は、韓国と中国が組んで日本を攻めると思うのではないだろうか。このような流れを見る米国は、さらに日本の肩を持つではないだろうか。韓・米・日軍事同盟関係では、韓日関係が悪くなるほど韓米同盟も弱くなる。韓半島の防衛を主な任務とする米第7艦隊の基地は米国ではなく日本の横須賀港だ。
9.今日、われわれが享受する自由と繁栄は、韓国が中国文化圏から離れて米国中心の海洋文化圏に編入されたおかげだ。中国とロシアはまだ独裁体制を清算していない。独裁的指導者たちの集まりになってしまった中国軍の戦勝節行事場に出席した朴槿恵大統領の姿では自主と自由の価値が見られない。中国とロシアが主導する大陸文化圏に自由があるのか。歴史的に当代の最強大国はいつも最も自由な国だった。自由を抹殺した国はいくら軍事力が強くても指導的国になれない。
10.中国経済が危機を直面し、米国経済は好況だ。中国の経済成長率が6%を下回ったら、国内政治的不安が爆発するだろう。中国が米国に代わって世界最強大国になるという誤判に基づいて親中政策一辺倒に進むとき、韓国は荒天航海中羅針盤を失った船のようになるだろう。
www.chogabje.com 2015-09-03 11:09