朴槿惠大統領の中国戦勝節出席の問題点
中國は北韓を止めるふりをするだけだ。
金成昱(社)韓国自由連合代表
政府は、朴槿恵大統領の9月3日「中国人民の抗日戦争および世界反ファシスト戦争勝利70周年記念」閲兵式(戦勝節パレード)出席と関連して“中国との友好関係を考慮し、 韓半島の平和と統一に中国の寄与を期待する点などを勘案した”と発表した。だが、問題点がある。
1.中国共産党は6•25戦争とその後の分断継続の元凶の一つで、主敵である北韓労働党と軍事同盟の国だ。戦争犯罪に対する謝罪と遺憾表明、主敵との関係を再設定なしに中国の戦勝節行事に出席するのは名分が弱い。それにも拘わらず無理をしてまで出席すべき理由もない。現在、中国との友好関係が悪いわけでもなく、戦勝節不参加が友好関係を悪くするとも考えられない。
2.戦勝節出席は‛韓半島の平和と統一のため'、つまり中国を通じて北韓を圧迫する意図と解釈される。だが、戦略的に北韓を‛米国の大陸進出を防ぐ番犬'程度に思ってきた中国にそういう役割は期待し難い。
これまで中国が主導した6カ国協議も、北の核武装の時間と資金を稼げための一種の詐欺だった。6カ国協議は2003年8月27日から中断された2007年7月20日まで6回の会談があった。北側は6カ国協議が始まったときは核兵器能力を疑われる水準だったが、6カ国協議期間中の2006年10月9日、核実験に成功し、2009年5月25日に2回目の核実験を行った。中国は北の核武装を止めるふりをしてきただけだ。
挑発も同じだ。中国は北韓の挑発を事前に防げず、事後もいかなる制裁もしなかった。天安艦爆沈や延坪島砲撃などに対して、中国は兩非論の姿勢を堅持してきた。今月の地雷挑発と関連して、駐韓中国大使は8月21日、“南北が共に自制すべきだ。対立せず対話を通じて紛争を解決してほしい”と言った。北に対して以前よりは不便な気分を示したが、根本姿勢は変わらなかった。
中国は北韓の年間の食糧不足分の半分に当たる30万t程度と原油消費量の半分の50万t程度、韓貨で約5000億ウォンほどの物品を支援してきたと言われる。中国は重油や食糧支援の他にも貿易を通じて北韓を間接支援する。(北韓が慢性的な赤字状態ではあるが)北•中貿易は南•北交易の1.5倍に達する。北側の核実験と各種挑発にもかかわらず、中国は対北支援を維持してきた。
経験則上、韓・中友好関係が北韓に対して心理的な圧迫にはなるかも知れないが、核の廃棄と挑発防止、さらに改革•開放を通じての北韓の正常化•民主化•自由化を引き出すには限界がある。
3.戦勝節行事にはオバマ米大統領をはじめEUや主要国の首脳が出席しない。米国の同盟であるフィリピンや日本も出席を拒否した。戦勝節行事は中国が率いる巨大な反日連帯だ。政府は「対北圧迫」を名分としたが、逆に対北圧迫網にもっと大きな穴ができる。対北圧迫の現実的な力は中国だけでなく、日本が持っているためだ。
例えば、日本内の朝総連は1990年代半ばまで毎年平均1000億円以上を北韓に送ったといわれる(南北問題研究所、『北韓の対南戦略解剖』、1996年)。朝総連に対する圧迫は北韓を締める方法だ。
4.戦勝節への出席は韓半島の平和と統一を保障してきた韓米同盟を弱化させる。米国は自らの利益のため韓半島の赤化を防ぐ努力はしても、自由民主主義統一のためには血を流さない。米国務省の東アジア太平洋担当スポークスマンは8月26日、“戦勝節への参加は各国の主権的決定事項”と言い、“米国は韓国の決定を尊重する”と言った。米国の不快な気分を現わした。
http://libertyherald.co.kr 2015-08-27 15:31