低能、政商の輩、スリ、独裁者、クーデター的事件!
国民の基本権である私有財産権への重大な侵害。当事者の国民を騙し密室で合意した犯罪的事件。大韓民国をギリシャにするつもりか。国家利益の保護者として政商の輩集団に立ち向かう大統領が見たい。
趙甲済
最も責任を負うべき人は金武星セヌリ党代表だ。補欠選で勝って人気が上がるから国民も、大統領も眼中になく、ひたすら青瓦台に向けて疾走すれば良いと傲慢になった人、いや、正気を失った人のように行動した。とても正気と言えない。
国民(国家)に毎年20兆ウォン以上をもっと負担するようにした、国民年金支給率引き上げに密室合意したセヌリ党と新政治民主連合の首脳部に対して、メディアと世論の怒りは非常に厳しい言葉を吐き出している。政商の輩、スリ、クーデター的事件、鄭能、独裁者、正気を失った人々などなど。
昨日(5月3日)の東亜日報社説は、与野党が合意した国民年金所得代替率の引き上げを厳しく批判した。公務員年金改革は、公務員年金と国民年金の統合が目標だったが、構造改革は消え現行の枠組みの中で数値調整に止まり、新政治民主連合が突然提起した、国民年金の名目所得代替率を現行の40%から2028年以後に50%に引き上げる案をセヌリ党が受容れて、国民年金の枯渇時期をもっと早めることになったのか明白だということだ。
<保健福祉部の文亨杓長官は5月2日、合意文を発表する直前にセヌリ党を訪ねて、“保険料を2倍に引き上げる自信がないなら所得代替率を引き揚げてはならない”と要請した。文長官は“所得代替率を40%から50%に引き上げると、2065年まで追加されるお金だけでも570兆ウォンを超える”、“公務員年金改革による節減額よりもはるかに巨額だ”と言った。>
東亜日報は、国民年金の所得代替率50%は、現行9%の保険料率を16.69〜18.85%に引き上げてこそ支給可能であるというのが福祉部の計算だと言い、現在のレベルを維持しても2060年頃には国民年金が枯渇するという予測が出ていると指摘した。それにも拘わらず、公務員年金改革の実務機構は逆の方案を作って‛財政節減分20%の国民年金への投入と所得代替率への50%引き上げ’という騙しをしたと指摘した。公務員年金を減らして国民年金にまわしたように騙したという。
東亜日報はこう結論を出した。
<資金枯渇のため毎年数兆ウォンをつぎ込む公務員年金を改革せよとしたら、与野党の政治家たちは、 国会が2007年4月に苦労して作った国民年金改革まで後退させた。このまま施行すれば、公務員年金に加えて国民年金が国家財政破綻のもう一つの雷管となるのは時間の問題だ。若い世代に借金の爆弾を押し付ける訳にはいかないと始めたことが、政治家の無責任とポピュリズムによってミイラ取りがミイラになってはならない。>
国民に今後数十年間、数百兆ウォンの追加負担が発生する国民年金所得代替率の引き上げを、2000万人を超える年金加入者など利害当事者の意見収斂の手続きなしに密室で決定する人は、令状なしに国民を刑務所に送る人間よりも酷い独裁者だ。ヒトラー、スターリン、金日成もやらなかったことだ。自由民主主義は言論の自由、選挙の自由、私有財産権の自由を保障しなければならない。セヌリ党と新政治民主連合の密室合意は、国民の基本権である私有財産権に対する重大な侵害だ。一種のクーデター的事件だ。毎年23兆ウォンの追加負担、つまり国軍をもう一つ作って運営するのと同じお金を国民に負担させる決定を、与野党議員数人が組んでやれるものなのか。国家を不渡りに追い込むほどの天文学的な金額に関する合意が数人の政治的利害関係によって決まったということは、政商の輩という言葉が何を意味するのかを実感させた。
1215年6月15日、ロンドン近郊でジョン王が反乱貴族たちとマグナ·カルタ(大憲章)を締結する際、核心は2つだった。王は、貴族たちの同意なしに税金を負担させないこと、自由民は令状など適法手続きなしに逮捕できないということだった。これが民主主義の出発点だった。口さえ開ければ民主主義を叫ぶ与野党議員数人が800年間も続いてきた民主主義の大原則(国民同意のない金銭負担禁止)を破壊した。
文明国家で、このような巨額を国民から徴収する決定をこのように秘密に、このように少数が、こんなに早く決めた例はないだろう。最も責任を負うべき人は金武星セヌリ党代表だ。補欠選で勝って人気が上がるから国民も、大統領も眼中になく、ひたすら青瓦台に向けて疾走すれば良いと傲慢になった人。いや、正気を失った人のように行動した。補欠選で全敗した文在寅代表に騙されたと弁明するには過誤があまりにも大きい。
永遠不変の真理は、‛うまく行くとき油断するな’だが、金武星代表は上手く行くときほぼ致命的なミスを犯してしまった。この事態を収拾する過程で保守層の離反と与党の混乱が予想される。金武星代表は、自己の計略に自分がはまって2017年の左派政権登場を支援している格好だ。保守が保守的アイデンティティを捨てると左翼の玩具になるという法則が改めて確認された。浪費的福祉の拡大は保守の価値ではない。金武星が目指す祖国はドイツ型の統一強国か、それとも堕落したギリシャか。
朴槿恵大統領は速やかに対国民演説を通じて収拾案を出さねばならない。時間がない。国民の不満はどこへ噴出するか分からない。大統領が国民世論と憲法と常識、そして國益に基づいて独裁的な国会に立ち向かえば、むしろ指導力が強化できるはずだ。再選を考える必要のない5年1期の大統領の強みを見せて欲しい。公務員年金改革を放棄することがあっても、国民年金の改惡は阻止せねばならない。中途半端な合意、合意のための合意はやらないのがましだ。左翼的価値観を持つ政治勢力と妥協を模索するのは、真面目な錯覚であり得る。
大統領は国民年金改悪の白紙化を要求し、国会が関連法を通過させても拒否権を行使すると宣言しなければならない。有権者たちは野合の責任者たちを2016年の総選挙で落選させねばならない。国家利益の保護者として政商の輩集団に立ち向かう大統領が見たい。
www.chogabje.com2015-05-04 17:44