朴槿恵大統領はなぜ北核情報を隠蔽しているのか
北韓の核ミサイル実戦配備が否定できない現実となったとき、朴大統領と国防部は、北の核開発を助けた反逆勢力からも“真実を知りながらも国民を騙してきたあなた方が本当の逆賊だ”と攻撃されてリーダーシップを失うだろう。
趙甲済
朴大統領が国民に真実を知らせてこそ国民は核危機のとき大統領を信じ政府に協力することができる。核問題の本質と実状を知るようになったとき、国民は敵の核開発を助けた従北左翼勢力に政権を渡さないだろう。
米国の自由アジア放送(RFA)は4月9日、“北韓が核弾頭を搭載した移動式大陸間弾道ミサイルを実戦配備したと評価していると米国の高位国防筋が発表しましたが、韓国側はこれが米国の公式立場ではないと指摘しました”と報道した。
<アメリカのウィリアム・ゴートニー北米航空宇宙防衛司令官兼北部司令官は4月7日、米国防部庁舎で記者たちに、北韓がICBM、つまり大陸間弾道弾を配備し核兵器を小型化したと評価しました。
*ゴート二司令官:“私たちの判断は、北韓が小型化した核兵器をKN-08ミサイルに搭載し、米国本土に向けて発射できる能力を持っているということです。”
彼はまだ北韓が移動式大陸間弾道ミサイルであるKN-08を試験発射するのを目撃はしていないが、その試験発射を待っていると付け加えました。
最近、米国の当局者たちは議会に出席して、北韓の核弾頭大陸間弾道ミサイルの実戦配備の可能性に相次いで触れています。先月、ジェームズ・クラッパ米国国家情報局(DNI)局長は、北韓が米国本土を直接打撃できるKN-08ミサイルの配備に着手したと評価し、セシル・ヘイニ米軍戦略司令部司令官も北韓が核弾頭を小型化したと信じていると表明しました。一方、韓国国防部の金珉奭報道官は8日、北韓の核弾頭搭載大陸間弾道ミサイルの実戦配備説は米国政府の公式立場ではないと言いました。
*金珉奭代弁人:“韓米政府は現在まで、北韓がKN-08、つまり大陸間弾道ミサイルを実戦配備する段階に至っていないと評価しています。”
韓国国防部側は韓米間の公式の立場は、北韓のKN-08ミサイルが実戦配備されていないし、核兵器の小型化技術が相当な水準であるということだと説明しました。>
北米航空宇宙防衛司令官兼北部司令官は、米国に飛んでくる核ミサイルを探知、迎撃する部隊の最高指揮官だ。そういう人が記者たちに言った話を、韓国国防部代弁人が‛米国政府の公式立場ではない’と否認するのはおかしい。一体どうすれば公式立場になるのか。韓国の歴代政府は、特に、今の政府が北韓の核およびミサイル脅威に対して国民に事実と異なる、かなり縮小し歪曲された情報を提供したのではないかという危惧の念が生じる件だ。
李明博政府で安全保障政策に関与したことのある核心的人士は“北韓は核弾頭の小型化と大量生産体制を整えており核ミサイルも既に実戦配備した”と断定的に言った。
状況をいくら楽観的解釈しても、<北韓がウラン濃縮方式による核爆弾の大量生産体制を構築し、核弾頭の小型化にも成功し、スカッドやノドンミサイルに装着して實戰配置したが、その直前の段階である>というのが事実に近いと見られる。この厳重な事実を大統領と国防部は国民に正しく知らせない程度を超えて縮小報告している。国家指導部が国民にあいまいな表現で流している情報は、‛核弾頭の小型化が進んでいるようだ’という式だ。安保に関する情報を誇張するのも問題だが、縮小・隠蔽は犯罪だ。特に、全国民の生存に直結する核兵器情報は国民が知る権利がある。安保の司令塔がこうであるから、政界では自衛的核武装論どころか‛総力を尽くして早くミサイル防衛網を作り引き揚げた米軍の戦術核兵器の再持ち込みを急ぐべきだ’という程度の話も出ない。
途方もない事実の前で、政界は暢気にサード(高高度ミサイル防衛網)を配備すべきかどうかで言葉の遊びばかりだ。中国を刺激するだの何だのというレベルの話をしているから、国民も事態の深刻さを知らないか知ろうとしない。洪水で川が増水して堤防を越えそうになったのに、堤防の上にいる人が警報音を鳴らさないから堤防の下の村の人々は些細なことに命をかけるみじめな争いに夢中で、日々の快楽ばかりを追う。自分の目だけを覆うと迫る悲劇が避けてくれるのか。
川の水が堤防を超えそうになった事実を最もよく知っている大統領と国防部が沈黙を保ち情報を歪曲することは、壬辰倭乱(文禄の役)前の宣祖に劣らない間違だ。宣祖は倭の侵略を事前に知ったとしても打つ手が多くなかったが、朴槿惠大統領は手段が多い。
国家と国民が真実を直視すれば、国家生存次元の國力動員が可能だ。大統領はこのように報告しなければならない。
“国家生存次元の危機が来た。対話を通じての北核の廃棄は失敗した。今後も可能性が低い。北の核ミサイルの実戦配備は既成事実と見做して備えなければならない。現在としては北が核ミサイルを発射すれば防御できる方法がない。米国など友邦と緊密に協力して効率的なミサイル防衛網を早急に建設し、米国に戦術核の再持ち込みを要求する。北韓の核開発を支援し庇護した勢力に対する国家的調査と捜査も行う。今後、南北対話では核問題を最優先課題として取り上げる。すべての國政も核ミサイル実戦配備に備える方向に収斂される。韓・米・日同盟を強化する。国民の協力を要請する。”
この程度の宣言は最低水準だろう。国家指導部が、最も重要な安保の真実を隠蔽することは不正の隠蔽とは次元が異なる犯罪だ。性格によっては利敵行為になり得る。
リンカーンはこう言った。‛私は国民を固く信じる。真実を教えればいかなる国家的危機に遭っても、国民を信じられる。重要なことは彼らに本当の事実を伝えることだ。’
(I am a firm believer in the people. If given the truth, they can be depended upon to meet any national crises。The great point is to bring them the real facts.)
朴大統領が国民に真実を知らせてこそ国民は核危機のとき大統領を信じ政府に協力することができる。核問題の本質と実状を知るようになったとき、国民は敵の核開発を助けた従北左翼勢力に政権を渡さないだろう。
大韓民国が滅びていないのは未だ金正恩が狂っていないためだ。今夜、彼が発作して核ミサイルの発射ボタンを押そうとするとき、北には止められる人がいなく、南には防御できる方法がない。これが真実だ。国民が‛まさか金正恩が発射するだろうか’という僥倖に頼る心理と‛米国が放置するだろうか’という奴隷根性で生きるようにする責任は、北韓核の真実を隠蔽、縮小している大統領にある。北韓の核ミサイル実戦配備が否定できない現実となったとき、朴大統領と国防部は、北の核開発を助けた反逆勢力からも“真実を知りながらも国民を騙してきたあなた方が本当の逆賊だ”と攻撃されてリーダーシップを失うだろう。朴大統領に真実の瞬間が来た。
www.chogabje.com 2015-04-10 18:10