4.3平和賞をもらった「金石範の史觀」

柳根一

「済州4.3平和賞」受賞者の金石範の受賞所感をどう見るべきか。まず、彼の大韓民国觀からが“これが大韓民国が賞を与える人の話なのか？”を疑わせる。“解放の前は民族を売った親日派で、解放後は反共勢力に、反米勢力に変身したその民族反逆者たちが掴み取った政権が...」と、彼は大韓民国の背骨を貶した。

彼は大韓民国の憲法が韓半島の地に5000年の歴史上初めて、近代の啓蒙思想の価値である自由・平等・博愛の民主主義を導入したことについては一切言わなかった。彼は北韓の地には、南とは違って稀代の全体主義独裁も足りなくて、前近代的な3代世襲絶対王政が支配するようになったことに対してもたったの一言も言及しなかった。

日本植民地時代から大韓民国に移る過渡期の一時期、共産反乱を制圧するための‛必要悪’として親日官僚を雇用した事実のみを取り上げただけ、彼はそのような初期的な現象にもかかわらず、大韓民国が半世紀後には、親日世代が全部淘汰された状態で世界が認める自由・民主・共和・人権・開放の先進国へと跳躍していたという事実については一切目を閉じた。そして、休戦線の北側にはナチスのアウシュビッツ顔負けの21世紀の‛虐殺の地'、‛飢餓の王国'、‛収容所群島’があるという事実に対しても彼はわざと目を瞑った。

彼はまた、こう言った。“親日派と民族反逆者勢力を基盤として構成した李承晩政府が臨時政府の法統を継承することができたでしょうか。ここから歴史の歪曲、偽りが正面に現れ、これに立ち向かったのが単独選挙•単独政府樹立に対する全国的な熾烈な反対闘争が起き、その同一線上で起こったのが4•3事件でした。”

一言で“4.3は1948年の大韓民国建国に正面から反対したもの”という主張であるわけだ。そう？それなら、もう話は終わりではないか？そういう主張をする彼に大韓民国が賞を与える？これこそコメディの中でも上コメディではないか？何、こんな国があるのか？賞を与えるべき人がいなくて事も有ろうに大韓民国の建国史をそこまで根っこから貶し罵倒する人間を選んで賞を与えるか。

こんな歴史観なら、大韓民国の中で大韓民国の正当性が消されるところだ。韓半島の全体的にもそうだが、大韓民国の中でさえ大韓民国を罵る史観が、大韓民国を愛する史観を抑圧しようとする波が荒々しく起きている。事態は深刻だ。このような動きを政府が意識的であれ無意識であれ放置する限り、後に誰かが仮に李石基や金基宗を表彰しようとしても、当局者は“世論調査で決める”というかも知れない。自分の国に悪口を浴びせる人に賞を与える世界唯一の国、大韓民国...実に呆れる。

柳根一の耽美主義クラブ http://cafe.daum.net/aestheticismclub 2014.04.07 00:54