大韓民国に必要なのはサードミサイルか核武装か

洪熒

中国政府がサードミサイルを韓国内に配置しないよう韓国政府に公開的、高圧的に圧力をかけている。中国側の姿勢は明白な内政干渉だ。大韓民国と大韓民国国民の安全と生存を無視する、文明社会では許されない破廉恥な帝国主義的態度だ。中国は韓国がなぜTHAADミサイルが必要になったのかが分からないのか。

大韓民国と国際社会は、北韓の核武装を中止させるため20年以上も誠意を尽くして努力し、中国にも協力を要請してきた。しかし、北側はあらゆる詭計で時間を稼ぎ核ミサイルの開発に拍車をかけ、核ミサイルの実戦配備宣言はもはや時間の問題となった。

したがって、北韓の核ミサイルを防御することは、大韓民国の生存の最優先課題となった。費用がいくら掛かっても、核ミサイルに対する防御対策、徹底した多重的措置を直ちに講じねばならない。米国家情報局長も先週、北韓が移動式ICBMの配備に着手した可能性があると米議会に報告した。韓国が同盟国と協力してこの危機に対処するのはあまりにも当然の権利だ。

事情がこうであるにも拘わらず、これまで北韓の核ミサイル開発を幇助、庇護してきた中国側が韓国のミサイル防御対策に干渉するのは言語道断だ。韓国に対して軍事的無防備状態を強要するのは、大国主義的内政干渉だけでなく、韓米同盟への正面挑戦だ。現に、中国は経済成長率よりはるかに高いペースで軍事力を建設し周辺国を脅かして久しい。

韓米同盟が結ばれたのもそもそも中国の侵略が直接的理由だ。毛沢東の中国共産党はスターリンと共にアジア大陸全体に狂気の共産主義を移植、輸出した張本人だ。毛沢東は政権樹立と同時に韓半島をはじめ、周辺国を侵略した。

中国は1950年10月、卑劣にも野鼠のように宣戦布告なしに韓半島を侵略した。南侵戦争を起こした金日成が国連軍の反撃で敗退するや、数十万の兵力をこっそりと鴨緑江を渡河させて韓半島を侵略した。国連は中国を侵略者と規定した。

「6・25戦争」は戦争勃発直後の4ヶ月間を除けば、休戦まで2年9ヶ月間、国連軍と中国軍が戦ったと言える。6・25戦争のとき、祖国を救うため参戦した「在日学徒義勇軍」の戦死者135人のほとんども中共軍との戦闘で戦死した。

休戦後も7万人余りの韓国軍捕虜が帰還できず不法抑留されたのも毛沢東の指示によるものだった。中国共産党は今もスターリンと毛沢東と金日成が共謀した6・25南侵戦争に加担した侵略行為を「抗米援朝」戦争だったと正当化している。習近平·中国国家主席も「正義の戦争」だったと強弁した。中国共産党には侵略が「正義」なのだ!

パキスタンをはじめ第3世界に核を拡散させた背後も中国共産主党だ。鄧小平は戦略的に第三世界に核を拡散させた。北韓の核ミサイル開発も助け庇護してきた。中国共産党は、北の武器輸出や不法取引を抑制、遮断どころか、北側に領空を開放することで不法を助長し、大韓民国の敵を庇護してきた。中国当局は先週も、国連人権理事会の北韓人権決議案に反対するなど、文明社会が糾弾する北韓の暴圧体制と人権惨状から目を逸らしている。中国は韓半島の分断70年の悲劇を持続させてきた元凶だ。

何よりも、中国自身の核兵器とミサイルは今どこを狙っているのか。中国はなぜ攻撃兵器を開発しているのか。韓国のTHAADの配備への反対が正当性を持つためには、中国自身が周辺国を脅かす核ミサイルを廃棄し、攻撃兵器の開発も中止すべきだ。中国は大韓民国のミサイル防御策に干渉するのではなく、北韓の核ミサイルを廃棄させろ。

北側の核ミサイル実戦配備に加え、いわゆる「東北工程」など韓半島に対する領土的野心や宗主権を求める中国の帝国主義的態度こそ、THAADミサイルの配備はもちろん、大韓民国が生存のために決定的な抑止力を保有しなければならない最大の理由だ。(2015.03.31)

更新日:2022年6月24日