朝鮮高校への授業料支援に反対する

佐藤勝巳

(2011. 9. 1)

 

首相、突然、朝鮮高校への授業料無償化促進を指示

菅直人首相は「火事場泥棒」か「泥棒猫」のように、首相辞任前日の8月29日、政権交代のどさくさに紛れて、今まで留保してきた朝鮮高校への授業料無償化適用の審査再開を、高木義明文部科学大臣に指示した。

誰だって「えっ、これはなんだ」と思うだろう。早速、何人かの知人から「やっぱり菅直人は変だ。背後に何があるのか」という趣旨の電話がかかって来た。この問題は、民主党の高校授業料無償化措置に関連して、各種学校である朝鮮高校が「われわれも高校だから授業料を無料化すべきだ」と文部科学省に要請したことに端を発している。

 

なぜ、朝鮮学校だけ授業料無償なのか

アメリカンスクールのような外国の教育機関も朝鮮高校と同じ各種学校であるが、それらは授業料無償化の対象になってはいない。朝鮮高校側からの申請に対して、当初から、なぜ朝鮮高校のみが授業料補助の対象なのか、という根本的な疑問が提起されていた。また、朝鮮高校を経営しているのは総聯だ、使用されている教科書は金正日政権が直接編集・製作している、朝鮮高校の教育内容がなぜ審査の対象にならないのか、など数々の疑問が提起きれていた。

 

申請手続き保留

そこに昨年3月、金正日政権が韓国の警備艇を攻撃して撃沈させ、50名近くの韓国海軍兵士の命を奪っただけではなく、同年11月には韓国延坪島に砲撃を加えたことで、韓半島西海岸での緊張がにわかに高まった。

この韓半島での緊張事態を理由に、政府は朝鮮高校への授業料無償化補助の検討を凍結して、今日に至ったのである。だが、前述のように菅直人氏は、首相を辞める前日に上記の指示を命じたしたのである。これでは誰が見ても「変だ、何かある」と考えるのは当然であろう。

 

首相の贖罪意識か

その理由は二つ考えられる。ーつは「進歩派」の菅直人氏の思想的立場(植民地支配に対する贖罪意識)に由来する。在日韓国・朝鮮人はかつての日本帝国主義に強制連行された被害者の子孫と位置づける贖罪派というのがいる。その代表的人物が東京大学和田春樹名誉教授で、彼らの主張する贖罪とは、金正日政権や総聯の主張のコピーで、100%誤ったものである。歴史の事実とは全く違うことを前提にして、朝鮮高校の授業料無償化が日本人の「良心」の証のーつと考えているナンセンスな勢力である。菅直人氏は朝鮮高校の授業料無償化を実現すれば「功績」になると考えている可能性がある。

 

反逆者、菅直人氏

この私の主張に反論があるなら、いつでも受けて立つ用意がある。抽象的論議ではなく具体的に、いつ誰が何処で、誰に「強制連行」されたかを、事実に基づいて論議したい。

私は長年、北朝鮮のこの種の報道に注意を払ってきたが、朝鮮労働党と総聯が「強制連行」された地域名や日時、場所、人数などを特定して触れたこはない。日本の進歩派の拠点、岩波書店や朝日新聞、和田春樹氏グループも同じく「強制連行」を実証したということを耳にしたことがない。従って「強制連行」など裏づけのない政治的な“キャンペーン”にしか過ぎないもので、論議の対象にもならない虚構なのだ。

菅直人氏のこのたびの朝鮮高校授業料無償化補助が、上述の贖罪意識によるものなら、氏は歴史を誤認したうえのナンセンスな贖罪意識によって、日本人を拉致したテロ集団に日本国民の税金を献上しようとしている、とんでもない反逆者なのである。

自分の考えに「確信」があるなら、首相をやめる一日前に、泥棒猫のような行動ではなく、もっと前から正々堂々と朝鮮高校への授業料補助の必要性を国民に訴えればよい。なぜ訴えなかったのか。卑劣で見苦しい政治家である。

 

脅迫されているのでは

いまひとつの理由。この報道を知ったとき菅直人氏は弱点を握られ、誰かに脅されているのではないかと思ったほど、異様な言動である。8月12日付本ネットでも触れたが、菅氏は、よど号ハイジャック犯田宮高麿の子供が属する「市民の会」などへ巨額のカンパをしている。そしてこのたびの言動だ。どう考えても不自然過ぎる。ボディーガードに後ろから拳銃を突きつけられているような印象を拭えない。

「政治家殺すには刃物はいらぬ」のだ。総聯系在日朝鮮人が菅直人氏に少なくないカンパをし、バラすぞと脅せば、たいがいの要求は通るのだ。

 

真面目に勉強して欲しい

国会で自民党議員が、在日韓国人からのカンパを貰った菅首相らを追及していたが、バブル期に総聯から自民党の派閥領袖へのカンパは、元総聯中央大幹部の話では1億円を切ることはなかったという。朝鮮問題の「怖さ」を自分のため、日本国のために真面目に勉強して欲しい。首相も変わったことだし、菅直人氏の指示を断固として潰さなければならない。

更新日:2022年6月24日