民主党に2度騙されてはならない

(2010. 6.18)

佐藤勝巳

 

 事実上参議院選挙に突入した。民主党は参議院の本会議も開かず、閉会を強行したのは、支持率が高いうちに選挙をという意図が見え見えである。民主党も自民党と、いや人間やることは余り違わないと分かったが、「世論」ほど得体の知れないものはない、と痛感している。

 鳩山・小沢両氏を8ヵ月で辞任に追い込んだのは、カネに対する説明不十分と普天間問題での鳩山氏の〝食言〟であった。支持率の急降下に、さすが傲岸不遜の小沢一郎氏も、鳩山氏と一緒に幹事長を辞任せざるを得なくなった。鳩山・小沢体制で参議院選に臨んだら、民主党は歴史的大敗北を喫したことは確実であっただろう。

 ところで管内閣への支持率の上昇を見ていると、小沢・鳩山両氏の「政治とカネ」の問題がいかに嫌悪感を持って受け止められていたかがよく分かったが、どうしても理解できないことがある。

 それは、鳩山・小沢両氏がいろいろな面でひど過ぎたから、管政権を支持したのであって、管直人首相の政治家としての実績が評価されて支持率がアップしたわけではない。鳩山内閣の主要閣僚で交代したのは首相と官房長官だけで、後は同じ顔ぶれだ。なのに、どうして支持率がアップするのだろうか。

 

 民主党の「犯罪」は、出来もしないことを出来るといって、有権者を騙して票を集め政権を奪取したことである。その典型が普天間基地移設問題であった。「最低県外移設」と言って、沖縄県の小選挙区4議席全部をさらった。結果、沖縄県民を無残に裏切った。

 

 また、税金の無駄使いは3兆円ある。この無駄を減らして子ども手当ての財源に当てると民主党は公約した。見つけ出した無駄は1兆円にも満たなかった。ガソリン税廃止、高速道路料金無料も公約したが実現できなかった。すべて公約違反(詐欺)である。

 結果、国家予算は税収38兆円なのに、支出92兆円で、赤字は収入の倍以上となった。それを国債44兆3000億円発行し予算の帳尻を合わせた。借金は民主党が払うのではなく、われわれ有権者が払うのだ。

 

 民主党は、自分達が天下を獲るために国家財政を破綻させる政策を実施している。管直人氏は、この亡国政策を推進してきた中心人物の1人である。それなのに、首相になって1週間もたたず、何もしていないのに支持率が急上昇するという〝世論〟とは一体何か。余りにも〝真面目さを欠いている〟この有権者の無責任な態度が民主党政権を実現させたのだ。再び同じ過ちを繰り返してはならない。

更新日:2022年6月24日