民主党候補に投票してはならない

佐藤勝巳

(2010. 5.24)

 

 鳩山由紀夫首相は、普天間移設問題で、最低県外に09年末に移設すると言っていたが、実現が困難となると、2010年5月末までに地元、アメリカ、連立の3者の合意を取り付け解決する、と繰り返し発言してきた。

 

 簡単に実現するはずがないことを軽く口にする首相に、巷では「自民党は駄目だから、一度民主党にやらしてみよう、と考えて投票したが、予想を超えて鳩山の駄目なのに呆れた。自民党の駄目さ加減と質が違う」と言っているのをよく耳にするので、鳩山氏や小沢一郎幹事長などと違って、普通の常識を持つ民主党国会議員にお伝えしたい。

 

 私は近年、自民党以外に投票したことがないから、内心いまさら何を言うか、と思って聞いている。それにしても民主党が掲げた政権公約で実現したものは、子ども手当と農家へのばら撒きの二つだけ。来年はそれも難しい。

 

 昨年8月の総選挙のとき、鳩山氏は、公約が実現できなければ「責任を取って辞任する」と繰り返し発言していたことは記憶に新しい。しかし辞任の気配すらない。鳩山氏には参議院選挙まで引き続き普天間問題をやってもらった方がよい。どうせ解決できないのだから、何度も沖縄に足を運び、「嘘つき」と罵倒され学習に励むべきだ。それでも分からないと思うが、選挙で大敗すれば小沢一郎幹事長と共に責任を取って辞任せざるを得ない。

 

 自民党が10年以上かけて決めた話を、白紙に戻して半年や1,年で利害が錯綜する基地移設が可能だと考える感覚が異常なのだ。責任を持って仕事したことのある人間なら、こんな無責任なことは間違っても口にしない。

 

 私の住む選挙区の民主党候補も、昨年8月総選挙で「政権交代は明治維新だ」と演説しただけではなく、ビラにも書いていた。明治維新は累々たる屍の上によって実現したものである。民主党の誰が血を流したのか。政権獲得してこの半年余、党代表と幹事長の金銭スキャンダルと公約違反のみだ。歴史の重さも、志士たちの生き様の峻烈さとも無縁。言葉の軽さは党代表だけではない。

 

 鳩山政権は韓国盧武鉉政権と同じことを米国にやった。民主党は普天間の後始末をどうするつもりか。いや、こんな無責任政党に天下を獲らせた有権者はどういう責任を取るのかだ。来るべき参議院選挙で、民主党候補にだけは投票しないことぐらいは、実行すべきであろう。

更新日:2022年6月24日