社民党を連立から外せ

佐藤勝巳

(2009.12.24)

 

 亀井静香代表の国民新党は2009年12月18日現在、衆議院議員3名、参議院議員5名計8名の政党だ。亀井氏は8名の国会議員の代表でしかないのに、衆議院に308議席、参議院に114議席を持つ連立相手の民主党政権を指して「俺の政権だ」と、言って吠えまくっている。なぜか。

 

 福島瑞穂党首の社民党は衆議院議員7名、参議院議員5名計12名の政党だ。沖縄県普天間基地移設問題で民主党が、日米合意に傾き出すと「連立の離脱もありうる」と民主党を恫喝する。すると鳩山首相はオロオロして「連立を重く受け止める」と言って日米合意を先送りした。

 

 国民は「鳩山という男は駄目だ」と思い出しているから、内閣支持率がどんどん下がっているのだ。鳩山由紀夫首相の曖昧な態度の背景には、性格もあるが、連立を解消されたら議席数の関係で、法案の殆どが通らなくなってしまう、という弱点を抱えているからである。

 参議院で法案を通すためには、民主党114議席、プラス7議席が必要だ。だから社民党の5議席と国民新党の5議席が必要不可欠となっている。自民党政権のときは、参議院で否決されても、衆議院は自公合わせて3分の2以上の議席があったから、何とかしのげた。民主党は衆議院で308議席。3分の2には12議席足りない。国民新党と社民党が連立から離脱したら、鳩山内閣の提出する法案の殆どが廃案になる。

 

 このような状況下で亀井・福島両氏が鳩山内閣でキャスティングーボードを握った。だから大きな顔をしているのだ。衆議院に即して言うなら480議席中社民党は7議席だ。その政党の安保政策が国政を支配するなど選挙民の意思に反する。そんなことを許してはならない。 鳩山内閣は社民党と連立を組んで駄目なら、社民党を除くその他の党派から、衆議院で7名、参議院で5名の協力を得るため、党を挙げて取り組むべきだ。安全保障にかかわることであるから自民党も公明党も協力すべきである。そういう動きが具体的に始まったら、社民党は連立から離脱など口に出せなくなるし、消滅する以外ない。

 

 それにしても鳩山首相は、「クリントン国務長官が普天間基地移設延期を了解した」と国民に説明した。するとクリントン国務長官は、12月22日藤崎一郎駐米大使を呼び出し、普天間基地移設推進を督促する「異例」の態度で臨んできた。鳩山首相は、優柔不断の上ウソまで口にする不誠実な政治家であることが明らかになった。加えて鳩山首相のカネの問題が連日報道されている。首相の信頼はさらに失墜した。わが国とっては恥ずべき話である。

更新日:2022年6月24日